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精神病の話


6月15日のコラムだけど、やっぱり当分いろんな人に見てもらう必要があると思うので
こちらに再掲載します。
この問題、根が深いよ。
もともと傷つきやすい、ネガティブ思考の人が集まってるところにネガティブな要素を投げ込んじゃったわけだからね。

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最近精神科が取りざたされている中、多くのうつ病患者さんがより鬱になっている。
あちこちのページをみると、大阪の事件のせいで、いま精神科に通ってる自分に
親すら連絡をくれなくなったとか、自分もそうなるんじゃないかとか、精神病者はみんな消えたほうがいいのかとか、
現在では容疑者の精神病の事実が薄れてきているけど
最初に固まったイメージはなかなか、患者からも世間の目からも拭い去れない感じ。
私も精神科、いってます。ストレスで自律神経おかしくしてるんで。
でもそこで思うのは、騒いだりする人もいないし…みんなおとなしいと言うこと。
基本的に、自分を傷つけるほうに行ってしまう人が多いんですよ。
私自身…次に病院に行く間に、近所の住民に「消えろ!」と石でも投げられるんじゃないかと不安になってます。
そんなことないってわかっててもね。
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こんなことかいてたら、16日には大阪精神障害者連絡会が声明を発表しましたね。

たとえは良くないかもしれないけど、高校生のころ
切れやすい若者とかなんとか、そういうのがはやってて「最近の若い人たちは…」とひとくくりにされ、
「みんながそういう人間じゃないのに!」と怒りを覚えたものですが
そんな感じで、「精神病院に通院している人」をひとくくりにしたような表現が多く聞こえてきたと思います。
思うのは、きっと今回の事件&報道で
患者さんは「私も悪いんだ、ひどくなれば悪い人間になるんだ」と不安を助長させ、
患者の家族は「うちの人もいつか犯罪を犯すのか?」「治りかけていたのにまた元通りになってしまった」とか
先生達も「来る患者さんがみんな、あの事件を気にして症状が悪化してる」とか
そういう波及があったと思うんですよ。


私は薬で落ち着いてなければ、外食や乗り物に乗ることが難しいのですが
こないだ駅で痙攣を起こした女性を見かけました。
自分と重なってとても怖かった。
私の不安は、「一人のときに、倒れてしまったらどうしよう」「倒れることは、恥ずかしいこと」ということなんだけど
(治療には、そのイメージを取り除くことが必要。で、薬で「駅でも大丈夫」という記憶を多くすることをしています)

女性はたくさんの、何もしてくれない野次馬に囲まれていた。
逆に私が震えてしまった。女性はあんなに、尋常じゃないのに
数人の駅員が押さえつけ、話し掛けているけど
関係ない・何もしないただの通行人にぐるりと囲まれ、みんなただ棒のように立って女性を見ている。
そんな女性の姿が、よく駅で倒れたり倒れそうになる私と重なってくる。
自分が倒れたときは見られたくない。こんな、人間の柵に囲まれるのだけは嫌だ。
せっかく治ってきたなと思ってたのに、私の心にその風景はかなり強くきざまれてしまった。

イメージは強く残るものです。
とくに、精神科に通う人の心には意識しないような部分で思い出がかかわってくるので、
あまり悪い思い出を作らないでやってください。
私にとっても、まだ自分の病気を伝えていない身内に「伝えにくくなった」のが事実です。
テレビを見てるときの反応とか見てたら、本当のこというの怖くなっちゃったよ。

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