■本が発行されるまでの経緯 |
■4/20、晋遊舎のKさんという方から、書籍への引用についてメールをいただきました。(挨拶は略) この度は弊社にて「ドラえもん」考察本の企画が持ち上がりまして 藤村阿智様がWebで公開なされている「ジャイアンのTシャツ研究データ」「ジャイ子の本名」の2点を 引用させていただきたいとご連絡差し上げました。 人気漫画である「ドラえもん」の考察本(謎本)は他社でもいろいろと発行されているのですが (他のサイトさんについて言及) それら複数サイトの考察を一冊の書籍として構成する価値があると思い、立案しました。 考察本は、ドラえもんの漫画コマは使わず、著作権に配慮した 真面目な本に仕上げるつもりです。 もしも、藤村阿智様が引用許可を出していただけた場合 藤村阿智様には一切、作業は発生いたしません。 テキストを引用させていただき、こちらで構成と校正を行ないます。 ■4/24 それについて、私からは下記のように返信しました。(挨拶など略) せっかくいただいたお話ですが、サイトの文章も10年以上前から 加筆を繰り返したようなまとまりのないものですし、 あの文章で雑誌という媒体に(引用、再構築とはいえ)発表するのは 気が引けますので、今回は辞退させていただきたく思います。 (最近更新が滞っているということも理由のひとつです) 企画自体は大変面白そうなものでありますし、 著作権などにも配慮されるということで、ドラえもんファンとしても楽しみです。 特集の成功をお祈りしています! サイトの研究自体、途中で止まっているので、書籍にするには中途半端であるし、 十代のころ書いた文章で、恥ずかしいと言う気持ちがありました。 もし本当に書籍に載せるなら研究を完璧にして文章を書きなおしたい、しかし今回の提案でそこまでする意味も時間もないと思いました。 ■4/26 私の返信を受けて、もう一度Kさんからメールをいただきました。 了解いたしました。 ただ、ジャイアンのTシャツだけは、ネタとして秀逸であり、どうしても載せたいと考えていますので そのコンセプトを引き継ぎ、こちら側のオリジナルとして考察文を是非載せたいと思っています。 のび太のオシャレファッション大全ネタとの比較も狙いの一つです。 逆にその場合は 藤村阿智様の名前やサイトとの関連性がわからないような作りに善処いたします。 再三で大変恐縮ですが、 この一点だけご検討の程何卒よろしくお願い申し上げます。 この時点で「そうじゃないでしょう」と少し不安になってしまいました。 私のサイトの着眼点を「良い」と思ってくれたなら、私のサイトについて言及したほうが、 お互いのために良いのではないかと考えました。 ■4/26 そこで、下記のように返信しました。 参考サイトとして名前を出していただくのはかまわないですよ。 記者様の考察には大変興味がありますので、当方の作成した資料やコンセプトを 一部でも参考にしていただくのもかまわないです。 ただ、コンテンツが製作途中ですべてを網羅できていないということもあり、 直接のご協力が難しいという意味でした。 それでは、企画・特集の成功をお祈りしております。 今後ともよろしくお願いいたします。 このメールには返信は特にありませんでした。 本が出る前の最後のやり取りは、上記の私からのメールです。 |
■見本誌が届く |
■6/3 見本誌送付のメールが到着しました。 藤村阿智様のサイト「Blackstrawberry.net」からも考察文・研究データを引用させていただきました ドラえもんの研究本「ドラえもん最強考察」の発売日が6月25日に決定いたしました。 つきましては見本誌の送付先をお教えいただければと思いますので、 お手数ですが、6月6日(月曜日)までにご連絡いただければと思います。 「考察文・研究データを引用」!? 結局引用されているの? どの部分を? 他のサイトさんと同じメールを送ったときのテンプレがそのままなだけ? で、もう25日に発売されるの? いま思えばこの時点で「どこがどのように引用されたか」を確認すればよかったかもしれませんが、 「引用」という言葉を正しく解釈して「引用程度ならいまさら仕方ないか……恥ずかしいけどもう印刷されてるだろうしなあ」と あきらめてしまいました。揉め事にがてなので…… ■見本誌送付=関係者じゃないの? というギモンをもたれた方がいらっしゃったら 今までにも数十件程度、サイトが紹介されたことがありまして、単純にURLと管理人名が掲載されただけでも 見本誌を送ってくださる出版社さんは多いです。 また、晋遊舎さんからも今までに十冊以上、ソフトウェアやWEBサイトを紹介していただいたときに見本誌をいただいているのです。 (一番見本誌を多くいただいている出版社なのです) だから見本誌送付連絡があった時点でも、たいしたギモンを持ちませんでした。 ■6/18、見本誌が2冊届く。 さっそく「結局どういう風に参考にしたんだろう?」と目次から該当しそうな部分を探してチェックしました。 私がサイトに載せている画像をそのまま、テキストは多少改変して掲載されています。(64P) 私の書いたものはこちらです。ジャイアンTシャツ研究 周りの文章は私が書いたものではありません。 該当ページにサイトURLなどは見当たらないし、さらに著者の一人になってる。 ドラドラ漫研団の一員になっている。 (奥付にもサイトURLなどナシ) それは聞いてないですし、同じく団員とされている人たちは以前より名前を知ってる人ばかりですが ほとんど会ったことはおろか、直接やり取りしたことも無い人たちです…… (ううせいじんさんとは昨年Ustream番組の非公式ドラえもん対談でご一緒しました。あの時はお世話になりました) |
■問題点 |
■今回の件で問題だと思うこと 著者として名前が掲載された、私と他の共著者たちですが、 それぞれがどの文章を書いたのかは明記されていません。 確かにサイトから転載された「私が書いたテキスト」も含まれていますが、ほとんどは他人の書いた文章です。 たぶん、他の方も同じだと思います。 引用はかまわないけど、どこからどこまでが引用なのか。 (そもそも私の場合、画像は転載だしテキストは改変されていますから、引用にならないのです) そして、引用して 主の文章を書いた人間は誰なのか。 今の表記だと、私たちの文章は引用されたのではなく、一冊丸ごとが私たちの著作物と思われても仕方がありません。 上のやり取りと掲載内容を見たら、私が著者であると言うのはかなり無理があるはずなのですが。 ■著者って権利がある代わりに責任もあるもの 著者であり、この本が著作物であるというなら、私は自分の文章に責任を持ちたい。 しかしどの部分が私の責任で書かれたものなのか、この本ではわからない状態です。 本当の著作者は誰? この本の文章に責任を持つ人は誰? 本を読んだ方が「文章がおかしい」とか「ここは違う」とおっしゃるとき、私は私の書いた部分が明記されていないことで、 すべて心苦しく感じてしまうのです。 「その文章を書いたのは私ではない、でも読者にはわからない」 これはつらいです。 私が書いたものについては突っ込みいただいていいんですよ。言い訳したり書き直したりできますから(笑) |
■雑誌や本の製作について |
■そもそも、今回の引用・転載を辞退したのには、背景がありまして…… 最近、雑誌の取材を受けるときに、出版社から多大な協力を求められることがあると多方面の知人から聞きました。 ・かなりのボリュームの文章を書くように言われる ・資料、貴重なコレクションの貸し出しや写真撮影を頼まれる(量もたくさん) ・でも謝礼などはナシ 「ネットで無料で見られるネタだからいいよね」「雑誌に載れるのは誰だってうれしいでしょ」と言う 雰囲気があると…… そんな話を聞いた直後に、一番上のメールをいただいたのです。 かなり警戒してしまいました。 ■ついでに他の雑誌を宣伝(笑) 同時期に、「文房具の同人誌を作っている藤村阿智」と言うことで取材を受けた本が発売されました。 別冊宝島 最強の文房具394 おなじく「最強」(笑) 単純に取材されただけなんですが、印刷前に掲載内容のチェックもさせていただいていますよ…… 出版社だけでなく、編集部・ライターさん単位でどのように雑誌を作るかがだいぶ違うみたいです。 |
■発売後の話 |
■他の方はどう思ったのか? 私は見本誌が届いた時点で「著者になんてなりたくないのに!」とショックで、 これは「どーいうことですかっ」と言いたい……でも私が悪かったのかも? そうだ私がちゃんとしていればこんなことにならなかったのかも…… ほかの人は怒ってないみたいだし、と落ち込んだまま何も出来ずにいました。 結局、他の方が先に抗議してくださったり、問題と思ってないことを表明されたりするのを見守って、 メールを書かずにウジウジしていたのですが…… ■7/13 晋遊舎さんからお詫びのメールが来ました 問題があると指摘され、調査の結果、データの取り扱いに問題があった とのご連絡でした。 ただし最初にメールをやり取りしていたKさんは、すでに会社を退社されたとのこと。 とりあえず私の要望を伝えました…… (前略) 「あくまで著者の方が考察の材料として参考にし、 改めて文章を執筆してまとめる」という使われ方を期待しておりました。 私の名前と文章が、今回のような扱いになったことは残念に感じております。 私からの要望といたしましては、 出来れば私のデータが使われたページを削除していただき、 著者という表記もなくしていただきたいと考えています。 すでに編集され・販売されているものですから、削除は難しいとは思いますので、 せめて私の文責(どこからどこまでが私の書いたものなのか)を明記した上で 出典としてサイトのURLを「奥付でなくページ内に」記載することをお願いできればと思います。 今回の件で一番ショックだったのは、読者の方に 「私がどこからどこまでに責任をもっているのか」が伝わっていないことです。 著者として名前があるからには、自分の著作部分には責任を持ちたいと思いますが、 その部分があいまいになってしまうのが非常につらいです。(後略) |