「それじゃ、ままは、でかけてきますからね。」 「はあい、まま!」ねこちゃんはげんきよくいいました。 「とだなのおやつを、たべたりしちゃだめよ。ままがかえってきてから、おやつをあげるから。」 「はあい!まま」「ねこちゃんはいいこだから、やくそく、まもれるね。いいこでおるすばんしていてね。」 ままは、きょうはおでかけです。ねこちゃんはひとりでおるすばんをしていました。 ねこちゃんはすこしおなかがすいていたけど、とだなのおやつはたべませんでした。 おやつのじかんになっても、ままはかえってきませんでした。 でも、ねこちゃんはとてもいいこなので、とだなのおやつはたべませんでした。 つぎのひのおやつのじかんになりました。ままは、まだかえってきません。 ねこちゃんはきのうのよるから、おなかがすいてないていました。ままもかえってこなくて、おばけのゆめをみて、こわくなってなきました。 また、つぎのおやつのじかんがきました。ままはかえってきません。 ねこちゃんはほんとうによいこなので、とだなにはおやつがたべずにのこっていました。 かわりに、まどぎわのおはながなくなっていました。 それからなんにちもたって、おうちのいすや、てーぶるや、ようふくが、ぜんぶなくなってもままはかえってこないのです。 それでもてんしのようなねこちゃんは、とだなのおやつをたべませんでした。 「あしたは、ままが、かえってくるとおもうんだ。」 ねこちゃんは、きょうもおやつをがまんできたので、にっこりとわらって、じゅうたんのうえでまるくなりました。 そして、めをとじました。
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