どくさい8

 それは、どくさいせいじでした。

総理大臣は、夢を、どくさいでかなえることにしました。
この国には、ごみを埋め立てる場所も、ごみを処分する場所もこれ以上作れません。
そこで国会は「室内のごみを財産と認める」法案を可決しました。
そうです! 家の中にごみを貯めれば貯めるほど、それが財産として認められるのです! 

街中にあふれていたごみは、キレイに家へ持ち帰られるようになり、国中からごみがなくなりました。

これで総理大臣も、
「あなたが死んだらただのゴミよ」と奥さんに言われ続けている、
お城のプラモデルのコレクションを、これからも胸をはって集めることが出来るのです。
それは総理大臣が亡くなった瞬間から、財産として認められるのですから。

end

(c)AchiFujimura StudioBerry 2005/4/1