あの子は毎年サンタを楽しみにしてくれています。 サンタはあの子にプレゼントをあげるために日本に来ているようなものです。 あの子は大人になってもサンタを信じています。 大学生になっても、枕元にはおおきな特製のくつした。 くつしたは、あの子が5歳の時にお母さんが作ってくれたものです。 お父さんも、いつもサンタがなにを子供にくれるのかが毎年楽しみなのです。 サンタは窓をすりぬけて、あの子のお部屋に入りました。 そこには小さなランプが点いていました。 あの子は怖がりなので、これが点いていないと眠れないことを サンタはちゃんと知っていました。 でも、何かが去年までと違っていました。 あの子のベッドの脇には、お父さんが立っていました。 「サンタさん今晩は」 お父さんは少し寂しそうな顔で、サンタさんに言いました。 「あの子は、今日は好きな人のおうちで一緒にクリスマスを楽しんでいるんだよ」end |