郵便局のおじさん、みちゃった
−そう、ピーマン大嫌いな子とピーマン大好きな子がいるように−
2丁目のポスト、変なのです。
朝に郵便局のおじさんが手紙を取りに行くと、ポストの前には
沢山 手紙がばらまかれているのです。
それは毎日続いていました。
落ちている手紙の裏を見ると、差出人はバラバラでした。
ポストの中に手を突っ込んで取り出すのは無理だし…
棒かなにかで取ってるのかな。それにしてもひどいいたずらだ。
皆の大事な手紙が、無くなったり傷ついたりしたらどうするんだ。
おじさんは夜、いたずらの犯人を捕まえようと隠れて見張っていました。
夜、あたりが寝静まった頃です。
急にポストがガクガク揺れはじめました。
おじさんがビックリして目を見開いた次の瞬間、
ババーッ!といきおいよくポストから手紙が飛び出してきたのです。
それは少しの間続いて、ポストが空っぽになると終りました。
2丁目のポストは、手紙が嫌で嫌で仕方なかったのです。
何が入っているかわからないので、不安だったのです。
それで毎晩、吐き出してしまっていたのです。
3丁目のポストも変でした。
朝、郵便局のおじさんが手紙を取りに行っても、
ポストの中身はいつも空っぽなのです。
鍵でも壊れちゃったかな。…いえ、鍵はしっかりついていました。
中に手を突っ込んでも、やっぱりなにもありません。
近くに住んでいる人も沢山いるのに、このポストだけなにも入っていないなんて。
またも、誰かが盗んでいるに違いないとおもったおじさんは、
夜 隠れて見張ることにしたのでした。
しかし、いたずらの犯人は来ませんし、ポストの所へは数人が手紙を入れに来ただけでした。
やれやれ。思い過ごしだったかな。
おじさんは、鍵を持ってくるとポストをあけてみました。
でも…やっぱり手紙は入っていないのでした。
このポストも変わったポストなのかな?
おじさんは、自分でも手紙を書いてみました。そして封筒を、ポストに入れてみました。
すぐに鍵をあけて、中を見てみるのですが…今入れた封筒もありませんでした。
3丁目のポストは、手紙が好きで好きで仕方なかったのです。
何がはいっているのかなと、ワクワクドキドキしていたのです。
それでいつも、ひみつの空間に手紙を隠してしまっているのです。
好き嫌いは仕方ないので、このふたつの変わったポストは使われないことになりました。
おじさんは、たまにこのポストたちのところへ行きます。
間違って入れられてしまった手紙を受け取りに、2丁目へ。
くちをふさがれたポストに自分で書いた手紙を届けに、3丁目へ。
end
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