未来からきたロボット2

未来から、たった一人の少年を助けるためにやってきたロボットがいました。
でも、ロボットはすごい能力を持っていたために、
そのちからをみんなのために使うことを余儀なくされていました。

最初は日本の中だけで駆け回っていたのですが、
そのうち世界の災害地などにも出向いて救助活動などをすることになりました。
だんだん、政治に巻き込まれてきました。
あのロボットをわが国にも貸し出してほしい。しかし、国交をうまくやらないと貸し出してくれないだろう。
そんな思惑のもと、日本は国交を大変有利な条件で進めることが出来ました。

ロボットはさらに忙しくなりました。
2つの地点をつなげることが出来るドアをくぐって、世界中を駆け巡ります。
日本の経済は、ロボットの活躍如何にかかっているのです。

世界の人たちは気がつきました。
「どんなにロボットががんばっても、これ以上の活躍はたった1台ではできない」

その認識を境に、日本の経済は前ほど良くなくなってきました。
適当に日本に恩を売って、ロボットが来れるときに来てもらったらいいや、世界の人々はそう思うようになりました。
それに、大変な災害や事件のときは、ロボットを派遣しないと
日本が世界中から批難されることをみんなわかってきたのです。
有利なのは世界のほうでした。

「ロボットをたくさん作ろう」
「中身を見れば、きっと同じモノがたくさんつくれるぞ。」
科学者や政治家のもくろみで、ロボットは捕らえられ道具をとりあげられ、
ばらばらにされてしまいました…
「だめだ」
「だめだ」
「まったくわからない。われわれには、元通りなおすこともできない」

ロボットは静かになりました。
頑丈な箱に詰められ、誰かが直してくれるのを待ちました。
ロボットがたった一つ幸せだったのは、いままでの悲しい記憶を忘れてしまったことです。

ずいぶん時が経ちました。
もう、みんなロボットのことは忘れてしまったのでしょうか?
でも、そこには光が待ってました。
ロボットは光に再びつつまれました。
「やぁ、こんにちは。君の名前は………だよ。
さっそくだけど、僕のご先祖様を助けに行ってくれないかな。」
科学者の言葉に、ロボットはうなずきました。

僕を治してくれたこの人の願いなら。
ロボットはタイムマシンにのって過去へ出かけていくのです。

end