死人チャンネル

テレビのチャンネルが多様化して、料金を払って見るチャンネルが増えてきました。
「死人チャンネル」もそのひとつでした。

結構見る人は多いのです。
見る人はそのチャンネルの大ファンがおおくて、
朝から晩まで「死人チャンネル」を見つめています。

今日も死人チャンネルのキャスターが、黒い服装で頭を下げます。
「本日なくなった方々のお名前です。」
「○○さんが老衰のためお亡くなりになりました。97歳でした。
△△さんが胃がんのためお亡くなりになりました。75歳でした。」
キャスターは淡々と、名前と死因、年齢を告げていきます。
テレビの前の人は、かわいそうに、まだ若いのに、よくがんばった、
などとつぶやきながら、遺族の方々の悲しみを想像して涙を流します。

ここで名前を呼ばれない死人はいません。
死人チャンネルは、24時間・休憩をはさみながら流れ続けます。

休憩の時の映像は、きれいなお花畑です。

end