「生まれ変わったら、この世のお魚全部になりたいです。」
それが私の、最後のお願いでした。

そして私が私とお別れするとき、誰かの声が聞こえました。
「お魚全部になったら、お魚達のいままでの業も全部引き受けることになるけど、
それでもいいのかい?」
「かまいません、私はお魚全部になります」
私は目をつぶりました。

お魚全部が私です。
お魚の死の苦しみも、
お魚の生の喜びも、
全て私の気持ちです。

苦しくてうれしいです。
いつか、この死も生も、細胞の生まれ変わりのように
気にならなくなる日が来るのかしら。

end