人間は案外強い いままで別れはたくさん経験してきました。 学校が終ったり、先に卒業していったり、遠くへ行ってしまったり、 …死んでしまったり。 私はいつも、誰かと会っている時絶えずその人との別れを考えます。 自分は別れたり離れたりするつもりはないのだけど、 相手にも自分にもいろんな事情はあるし。 相手にも自分にもいつかは寿命が来るし。 どんな別れにも対処出来るようにシミュレーションします。 だけど、ただ想像するだけで怖くなって、たとえそれがただの友達や、スーパーのレジを打ってくれるお姉さんでも 別れる時なんか来なければいいのにと震えます。 思えば中学の時も、「高校が違ってしまえば今の仲間と普通に会話出来なくなる」 高校の時も、「わたしが遠くに行ってしまうからめったにあえなくなる」 そして今でも、「あの人にはあと何回会えるんだろう」… 私はずっと、人との別れを怖がっています。毎日怖がっています。 私にとって、日常が少しでも変わることが怖くてしかたがないのです。 でも、 思えば中学の後も、離れた友達のことを気にしつつも案外楽しくやっていたし、 高校の後も、「私は遠くにきてしまったけどいつでも皆はあそこにいる」 そして今でも、なぜかあの人にはまた会えるような気がして恐怖が消えているのです。 人間は案外強いなと思いました。 私はこの瞬間には、「生きていくことも死んでしまうこともこわい」とおびえているのですが 考える未来より、あとで振り返った過去は怖いことも少ないのです。 |