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友達が出てくる夢


 友達が出てくる夢なんてのは、めずらしくない。
でも、私は現在も会える友達が少ないので、夢で会えば大抵久しぶり。
久しくあってないのに夢に出てくるぐらいだから、
昔 よくふざけていたころに大切に感じていて、私のことも大切に思ってくれていた人ばかりなのだ。

この9月になると、毎年思い出してしまう人は、
9月に亡くなった、あの友達のことだろう。
2000年のOTHERにそのときのことはいくつか書いてあるから、読みたい人は読めばよい。


その日の朝方、私は夢を見ていた。
夢には懐かしい友達が出てきていて、めずらしく友達と二人きりだった。
私はたくさん人数がいて、わいわいするのが好きなので、夢でも大抵多人数が出演するのだけど
本当にめずらしく、二人だった。

彼が、淡い緑色の光が降り注ぐ林の中を走っていくから、私も追いかけてた。
私をどこかに連れて行ってくれるらしい。
たまに振り返って、私を確認してくれていて、笑ってた。

身長より高い塀が横たわっていて、どうやらそれに登るらしい。
友達はヒョイッと塀に駆け上がったけど、私は少しもたついていた。
彼が手を伸ばしてくれる。私が手を握り返すと、ぐいっと引っ張ってくれて、
なんとか塀に登ることが出来た。

 塀はかなり長かった。高さはあまり高くなく、周りの樹に少し埋もれるぐらいの高さで、
林を二分していた。黄緑色に縁取られた塀のまっすぐ前には、トンネルが口をあけていた。
顔を見合わせると、お互いにトンネルが気になっていたみたいで、それがわかって笑った。

とにかくまぶしいほど明るい夢で、太陽の光が強かった。
9月というより、初夏の日差しだった。

電話のベルが鳴ったので、私は目を覚ました。
めずらしく、母親が朝に電話をかけてきた。暗い声だった。

お友達の○○くんが亡くなったのよ、
そう聞いて私は「ああ……」と言葉が出なく、でもなんとなくすぐ「本当のことなんだ」とわかった気がした。
夢で久しぶりにあった友達こそ、○○くんだったからだ。
現実よりずっと優しくて、笑顔だったことが夢の中ですら気にかかったし、
夢の中には音が無かった。

それから、あんまり久しぶりの人が夢に出てくるとチョッピリ怖いんだ。
みんな、頼むから無茶をしないで、自分のことを大事にしてください。
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