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 私は虫は、好きだ。
でも世間一般には嫌いな人が多いらしい。「らしい」というか、多い。

プロフィールに「嫌いな物」という項がある人も少なくなく、
(個人的には、「嫌いな物」といわれたものを好きな人がその項を見たときにいい気持しないと思うので、
 「嫌いな物」と言う項はあまり必要ないと思うんだけど)
そこには「虫」と書かれていることが多い。

虫は一般的に嫌われ者なので、堂々と「嫌い!」と言っても誰も傷つかないと思われているのだろう。
虫好きは意外に傷ついているのではないだろうか。
私は傷つくほどの虫好きレベルではないので、人が嫌っててもどうでもいい。

虫好きな人の共通の悩みだと思うのだけれど、虫の話題を出すときに少し気を使ってしまうことはないだろうか。

例えば、世間で嫌がられる話題というのは確かにあって、グロテスクなネタや下ネタ、フェチネタは時と場合をよく考えなくてはならない。
聞きたくない人・読みたくない人のために、確認する機会・ページを作るなど、工夫されている。
虫もそれに匹敵する。
思わず虫ネタがクチをついて出ると、嫌な顔をされてしまったり「なんでそんな話するんだよ!」と怒られたりする。


文具の解説ページの文章などを書いているときに「ここが虫みたいでカッコイイ」とか書きそうになるのだけれど、 「虫を思い出すからそんな文具いらない」と言われそうなので書けない。
「虫みたいでいいですよね!」という意見には大抵同意は得られず、「虫みたいなら嫌だろう」といわれてしまう。

こないだはさりげなく、チラシにてんとう虫を混ぜてみたりしたけど、アレでも嫌う人は嫌なんだろうなぁ。
「風の谷のナウシカ」なんて名作映画でも、虫が出るから見られないって人もいるらしいし、虫の嫌われっぷりはすさまじいね。


よくよく見ると、虫の体はメカっぽくていかにも精密機械といった雰囲気だ。
硬そうで、でもその実もろくって、すぐ壊れてしまう。



虫が嫌われるのは、その身近さゆえではないだろうか。
こないだすずめを見ておって、すずめはあの距離感を保ってるから可愛く見えるのであって、
あれがやたらと人間にまとわりついてくる野生動物だったら嫌われていただろう。
虫は距離感があまりなく、すぐ懐に飛び込んでくるところや、人間と共通する感情が動きから感じ取れない 所も嫌われる一端ではないだろうか。
もし、あらゆる虫がすずめの大きさだったらどうだろう?さすがに怖そうなので、私でも想像するのはためらわれる(笑) 虫が小さくてよかった……(大きい虫もいるけれどもね。)

文・藤村阿智 (C)AchiFujimura 2004/04/10
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