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日本の民話?

 私が小さい頃、眠る前などによく読んでいたのが「日本の民話」だ。
ハードカバーで水色の分厚い本で、中にはあちこちの地方の、有名な民話が載っている。
そのどれもがおそろしく、「ほのぼの」とはかけ離れており、
読んだら数日は思い出して怖くなってしまうほどだった。

 そういうへんに怖い、淡々とした物語を幼少の頃に読んだため、
今もブラックドウワのようなものを書いているのかもしれない。

一番怖かったのは「瓜姫」だったと思う、河童がシリコダマとかキュウリから生まれた姫だとか
なんかもう、怖くて飛ばして読んでいたのでうろ覚えにもほどがある。
ただ、畑で大きなキュウリ(長さ30cm、直径8cmぐらいのヤツ)を見ると無性に怖い。


怖いけどなんとなく雰囲気が好きで読んでいたお話が二つある。
ひとつは有名な「かちかち山」だ。
「ウサギが、大好きなおばあさん・おじいさんを化かしたタヌキに復讐をする」という話だが、
なんでウサギがタヌキに復讐をするほどの恨みを持ったのかは覚えてる?

■か ち か ち や ま
おじいさん・おばあさんにいたずらをしたタヌキさん。
タヌキさんは、いたずらが過ぎたので、おじいさんにつかまってしまいました。おじいさんはおばあさんに
「今日はタヌキ汁にしよう」
といいまして、その準備をしていたわけですが、タヌキがしくしく泣くもので、かわいそうに思ったおばあさんは、 縄をほどいてタヌキを逃がしてあげることにしました。
しかしタヌキは、優しいおばあさんを殺害し、自分がおばあさんに化け、夕食の準備を進めました。

おじいさんに汁物をだすと「うまいうまい、タヌキ汁はうまい」と大喜び。そこでタヌキが化けの皮をはぎます、 「やーい ばばぁ汁はうまいかぁ」とおじいさんをバカにして去っていきます。
おばあさんが汁の具になったことを知ったおじいさん、悲しみにくれていると、
そこへウサギがやってきました。普段、ウサギはおじいさんとおばあさんに可愛がってもらってたので、 タヌキが許せません。そこで復讐することに決めたのでした……

このあとは同じ。マキに火をつけてヤケドを負わせ、傷口にみそを塗りこみ、泥船でしずめました。
検索したら、おばあさんは怪我をさせられただけということになっているようだ。やっぱり残酷すぎるよな…… タヌキが怖くなりそうだ。


さらに、爆発的に怖かったのが無病息災を願う節分の話。


あ か お に  あ お お に(本当のタイトル失念)
昔々、すごーくげんきな男と、まるで元気のない男がいました。
元気な男はいつもめきめきと働き、元気な妻との間に子供をたくさんもうけましたが、
元気のない男はいつも病気がちで、これまた元気のない妻との間に子供はひとりだけでした。
元気のない男には、元気のない青鬼が体に住みついており、そいつが青っパナの原因でした。
そんな元気のない男を馬鹿にしてた元気な男でしたが、あるとき突然赤鬼に取り付かれ、 あっという間に赤鬼は増殖し、ついに元気な男の体は爆発しました。そしてギャーというまもなく 子供たちや妻も赤鬼ファミリーに爆発させられ、あっという間に一家全滅してしまいました。

元気のない男についた青鬼は、ずっと出て行かなかったのですが、男は死ぬときも家族に見守られて死にました。
そんなところから、赤鬼がやってこないように、節分の日には「無病息災、無病息災(もう少し長い呪文だった)」と 唱えながら、節分の鬼やらいをするようになったのです。


……怖い!

ネットで検索したら、「無病息災」じゃなくて「一病息災」という話だったことが判明しました。
それにしても赤鬼に取り付かれて死ぬのは変わらないので、怖いなぁ。(12/7追記)


んじゃもうひとつ、沖縄の民話。沖縄では「ムーチー」という餅をくうが、それの由来になってる話。
検索すると、ネットでもあちこちで少しずつ違う由来の話が見れるぞ。


 ウ ニ ム ー チ ー の 巻

 むかしむかし、沖縄のある地方では、鬼に悩まされていました。そこで勇気のある女の子が、二種類のムーチーを 作って鬼退治に行きました。
 鬼と向かい合って「私を食べる前にこれを」と持ってきたムーチーを差し入れて、お互いに食べました。
実は、鬼に渡したほうのムーチーには砕いた瓦が入っていて(これをウニムーチーという)、固くて食べることが出来ません。
鬼がふと女の子を見れば、平気でムシャムシャ食べているので、ビックリします。
 しかも、彼女はかたひざを立てて食べているのですが、その足と足の間に、ぱっくりクチが(!)あいているのです。 その真っ赤なクチをみて鬼は、「それはなんだ!」と聞きます。すると女の子は待ってましたとばかりに
「上のくちはムーチーを食べるくちだが、下のくちは鬼を食うくちだ!」と脅します。鬼はビックリして逃げていきました。 めでたく鬼退治が完了しました。女の子の勇気に拍手です。



……土産物屋で買った、「沖縄の民話」っていう小冊子に載ってたんだが……
「女は自らの女陰を見せ、」って書いてあった気がするんですよ……ハードな内容です。
「月経がきていたので赤く染まっていた」とも書いてありましたが……すごい。


民話は昔から連綿と続く、人間ドラマなんですね!(とキレイに締める)

文・藤村阿智 (C)AchiFujimura 2004/11/09
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