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おとうさんのにがおえ


父の日が近いということで、近所のスーパーにおとうさんのにがおえが貼ってありました。

おとうさんのにがおえ1

だいたい、イメージとしてはこんな感じですかね?(上の絵は私が描きました)

ほほえましくはあるがおもしろくはないよね。
明らかになにかに影響されて、こう描くと顔だとおもって描かれている感じがする。
つまり、顔をみて、ソレを描いたわけではなく、
こう描けば顔に見えるという思いに絵を合わせちゃったという感じ?

私もそうだし、大人は大体「目がこの辺で ふたつあって 真ん中に鼻 口はこう」と なにかにとりつかれたように描いちゃうと思うんだ。
前にある顔に他の特徴や違うところがあっても、「こういうもののはず」にあわせちゃう。


そんな中、ダイナミックな絵がひとつ凄くインパクトをもって輝いてたのです。

おとうさんのにがおえ2

すごい!!!  (上の絵は思い出して私が描いたもの)

まず他より圧倒的にはだの面積が広いので目に付きます。
そして眼鏡のほかには何も描かれていません。

これは一見、本物(おとうさん)に似ても似つかない・荒っぽい絵に見えますが、
枠いっぱいではみ出してるけど、紙からはみ出てる部分はあまりないので、 結構丁寧に・ここまで塗ると意図を持ってこの面積で塗ったと思うのですね。
さらに眼鏡だけ。
これはこの6歳の少年にとって、父の顔で印象深いのは眼鏡だったということですね。
しかもちゃんと眼鏡とわかる形です。掛けている姿のセオリーとは合わない描かれ方でも、 とにかく「僕のお父さんは眼鏡をかけている」と言うことを伝えてきます。

お父さんの顔を描く。お父さんが人間である。人間の顔を描く、と他の絵は描かれているのに対し、
あくまで見えた「お父さん」を描いてるんですよ(多分)

そしてこのドアップっぷりは、お父さんとの距離感が凄く強いのかもしれません。
いつも目の中にはお父さんの顔がたっぷりと近いところに映ってて、肌色と眼鏡が強烈に 印象にあるのでしょう。
お父さんはこの絵を見て、顔がうまくかけてないとか言うより、距離感と、明確な
「描きたいもの」が書き表されたこの絵を喜べたかなあ?
でも普通は顔が描いてなかったらちょっとショックだろうな(笑)
私は凄く個性的でいいと思う、

……というより、この絵に出会って初めてこういう絵を「いい!」と思いました。
上記の私の感想や、伝わってきたと感じたものはもしかすると少年の意図するところでは ないのかもしれないけど、解釈ひとつで感動とは変わるものだなあと実感した、ということです。
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