amazonプライムで「パーフェクト・センス」という映画を見ました。
以下ネタバレというか紹介と感想。
藤村阿智の日記 ひぐらし BlackStrawberry_net
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今度見に行こうと思ってる映画がR15+の映画だった。
15歳未満は劇場で見られないというもの。親がついてるとか見てもいいと判断したとかも関係なく年齢でアウトってことですね。
レーティングっておもしろいなあとおもう。成長とか考え方とか、年齢で変わるものでもなく個人差が大きいというのはもうわかってることだと思うのに、年齢で区切っているというところが興味深い。
お酒とかたばことか、そういうのを体に取り込むにあたって年齢を決めるのはちょっとわかる気がする。そこに個人差を考慮したくても、正直測れなそうというところ。「もう体は出来上がってる!20歳以上と同じく酒・たばこOK!」って言う免許を出すようなもんでもないわけだし、まあ一律20歳ぐらいまでやめときな~ということになるのはいいだろう。逆に「成長遅めだったから君の場合はまだ酒もタバコもやめておいた方がいいよ」ってこともあるのかもしれないけど、成人したらみんながみんなするもんでもないから自己判断ってことかな。
それだったらもう少し判断材料をくれないかなとも思うけど。「なんか禁じてたものが解禁して自己判断でやっていいことになったよ」ってだけじゃちょっと不親切かなあと。どういう「悪いこと」があるけど、どういう「いいこと」があってする人がいるのか、悪いことの事例はどんななのか、そういうの教育されないで日々のニュースや物語の中から「酔っぱらいすぎたらダメそう」「タバコ吸いすぎると肺によくなさそう」とかぼんやり感じ取れってのむりがあるんじゃな~い。
脇道にそれてしまいましたが、映画などのレーティングの話です。
日本でも明確に基準はあると思うんだけど、受け取る側の意識は低めだよね。
海外では「なんだこれは!子どもにみせられない!」とか、「下品!暴力的、悪趣味。見たくなかった」とまゆをひそめる大人の人も多いようなイメージ。
日本なんでも有りじゃない?(基準とか規制とかの意味じゃなくて、個人がどう思うかっていうのがゆるいというか、厳しく指摘して怒りだす人がいないというか)
海外の映画紹介サイトを見ていたんですよ。
そこでレーティングの項目をクリックすると、映画を鑑賞した人から親向けに「これはどういう映画なので、ここに気を付けてください」というアドバイスというかチェックポイントが書かれているんですよ。
日本で暮らしてる私から見ると、「あーそこ『気になる人もいるかもね』って思うんだ?」とびっくりすることも少々。
自分が観たことのある映画をいくつかチェックしてみた。
Parents Guide – IMDb(チャッピー)PG12
https://www.imdb.com/title/tt1823672/parentalguide?ref_=tt_stry_pg#certification
PG12なので、かなりチェックポイントは多いですね。特に注目したのは「Profanity」の項目。汚い言葉遣いをしたり、神様に言及したりって言う所のチェック。「F***と45回言っている」とか、数えるんだな……と思ったり。
ショックなシーンの警告では、「犬が死んでいます」とか。
Parents Guide – IMDb(マイマイ新子と千年の魔法)G
https://www.imdb.com/title/tt1517216/parentalguide?ref_=tt_stry_pg#certification
日本ではファミリー向けに公開されたものの、内容としては結構ディープで大人むけでもある「マイマイ~」の親向けガイドはけっこう甘いかな。
「ペットとして飼われた動物の突然の死」に注意、「チョコレートを食べてこどもが酔っぱらうシーンがある(が、次のシーンでは大丈夫です)」警告。
ネタバレしないところで「そこも注意が必要なエピソードかあ」と思ったのは、
「酔っぱらったこどもが母の死を告げるシーン」について言及があるところ。そういうのも「ダメなひといるかも」と思われてるってことだよね。
Parents Guide – IMDb(この世界の片隅に)G
https://www.imdb.com/title/tt4769824/parentalguide?ref_=tt_stry_pg#certification
「二人の少女の胸が横から見える短い入浴シーンがあります」
「死はあるけど描写されない」
「血が見える病院のシーン、怪我の描写があります」
「歓楽街に迷い込んだことが暗示されるシーンがある」
などなど書いてありますが比較的緩やかな表現になってる。
これを考えると、「さらにいくつもの」の方は厳しく言われるところありそうだなってちょっと思ったり。レーティングどうなるんだろ。
ちょっと調べて見たけど日本では「G」「指定なし」ってことでいいのかな。
PG12ぐらいにしたほうがいいんじゃないか? PGにしたらテレビ放送しにくいのかもな……
指定なしの時も書いておいてほしい。日本の映画は指定なしが多そう(特にアニメ)だけど、書いてないと逆に「どうなのかな?」って調べちゃう……
海外との違いも書いてあるからwikipediaも参考になりそう。
映画のレイティングシステム – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
今度見に行く映画も、原作の内容からキツイお話になるのはわかっていたが、R15つけてくるとなったらがっつり書かれてそうだなと……原作は18禁とかではないですが。日本の漫画は残酷描写ではほとんど18禁にならないですもんね。成人向けにしちゃうんだったら性描写も含んでくるというか。
ニール・ブロムカンプ監督と言えば、私は「チャッピー」が好きなわけですが。
さらに評価の高い、「第9地区」も見てみよう!と思って、だいぶ前……たぶん3年以上前にDVDを買ったんですよ。
なのに、なんとなく見る機会をうしなって、長い間そのままにしていた。
ずっとずっとテレビの前に転がっていて、(見るときはPCで見ますが……)何年もそのまま。とうとう見ようと思ったり、やっぱり見なかったりと謎の時間が過ぎていきました。
しかし、とうとう観たのですよ。この2020年1月8日、新年初めての映画に。この「第9地区」を。選んだのです!
今となっては、DVDは画質がイマイチですね。900円ぐらいで買えたので買ったのですが、すでにブルーレイが900円になっており、上記のプライムビデオなら199円で見られます……
【あらすじ】
南アフリカ・ヨハネスブルグの上空に突如現れた地球外のものと思われる飛行物体。しかし停泊してるだけで何も起こらないので、無理やりこじ開けて中に入ってみたら、すっかり衰弱した宇宙生物らしきものが大量にいた。人道的な面から救出して住居を与えて難民キャンプができたけれど、宇宙生物はなんだか野蛮で暴力的だし、見た目がエビや昆虫のようなので徐々に住民から疎まれる存在に。
とうとう、「エビ」たちを他の地域に無理やり閉じ込めようと、人間たちは表面的には友好的な態度で「エビ」の居住地へ赴くが……
【これ以降内容にも触れるよ・ネタバレ嫌な人は読まないでね】
差別であったり、政策に翻弄される難民だったり、そういうものも読み取れるのですが、監督コメントによれば「あくまでエンターテインメント」とのことですので、楽しんでしまえばよいのでしょう。
「チャッピー」のほうがよりコミカルで楽しいと思うんだけど、深読みの余地や脚本の良さみたいなのは「第9地区」のほうがあるかな。
とにかく派手ですね。ハリウッド的な派手ではないけど、敵も味方もバンバンころされていってしまうところなんか、いちいち感情移入したとしたら見られないですよ……ゲームだと思ったほうがいいぐらいかもしれない。
主人公のヴィカスはまじめだけど調子に乗りやすくて詰めが甘くて行動が裏目に出る上になんだか不運な人。そんなに嫌われないかもしれないけど、周りは困りそうだなあ。「第9地区」からエイリアンたちを立ち退かせるプロジェクトの責任者になぜか抜擢され(たぶん偉い人の親戚という理由)、やる気満々で仕事に向かったんだけど、アクシデントで体の一部がエイリアン化してしまい……
あのアクシデントでなぜエイリアン化するのかは最後まで謎だけど、まあなんか薬品ひっかぶり系変身ものだと思って深く気にせずに行こう。
ヴィカスはもうエイリアンに助けを乞うしかないよ!と見ていて思うんだけど、なかなかそういう心情にもなれないみたいだし、最後までハラハラする。
ほんのり友情モノだったりもするし、ピンチと脱出の連続なので飽きなかったなあ。……と書いてみて思ったけど私はあんまり映画に「飽きる」って感じたことないな。
ラストはハッピーエンドだと思った。たぶん彼は帰ってくるし、すべて解決したら愛する人のもとへ戻れるんだ……
アフリカに興味があるものとしては、街中の様子や、空から見下ろした住宅街が見どころでした。googlemapで見てる航空写真と同じだなって。エイリアンの住んでるお家は家の中も荒れ放題だけど……
あと、ナイジェリアのギャングなる一派が出てくるんですけど、なぜナイジェリア。そういうのが実際にあるのかしら。
SF好きとしては、メカも出てくるし、一見住宅のように見えて何かの研究室でコンピュータに囲まれていたり、タッチパネルや生体認証で操作する機械群も見どころでした。ニールブロムカンプ作品にはおなじみらしい「乗り込み型二足歩行ロボット」出てきたときは「出たー!」「乗れたー!」って感じで興奮しました。
脚本はチャッピーのほうが「先に作った作品」みたいな感じだったなあ。単純になってるというか。共同で脚本作ってたというテリー・タッチェルとのブラッシュアップの作業がより濃くしたのかな? って、よく見たらチャッピーも同じコンビで作ってるんですね。そして二人は夫婦なんですね。いま初めて知りました。
あと、ヴィカスのセリフは主演のシャールト・コプリーによるアドリブだと聞いて、もう一回最初から見直してみたくなってきましたね……キャラクター設定がしっかりしてるんだな。あの「お役人で、あんまり周りより出来るタイプじゃなくて、任された責任重大な仕事にちょっとウキウキしちゃってて、奥さんが好きで、かっこ悪いところは記録されたくないし、位置情報がわかっちゃうのに奥さんとしゃべりたくて電話の電源を切らないところ」とか……セリフやちょっとどもりがちなしゃべりっぷりにもそういうキャラクターが出てきている気がする。
すぐに人を信じたり、正義を振りかざしたり、嘘みたいにかっこいいところもなくてかっこ悪いなりに「ええい!俺はこうする!どうにでもな~れ~♪」って感じが生々しいというか……ヒーローではない、小者?小者感?そういうのが……出てると思うんですよ!
以下ネタバレというかちょこちょこ内容にも触れるので、まだ読んでなくてまっさらな状態で読みたいし楽しみだよ~読むよ~という人は私の感想は漫画or原作読後にチェックしてね。
表紙もいいよなあ。
原作の表紙がこれだから(白地に乗せるとわかりにくいけど)
—-ここから
—-ここまで
こういう白い表紙なんですよ。最初からなにか書いてあったらそれはそれでうけいれたかもしれないけど、この白い表紙で、最後まで物語を読んだら「この白い表紙しかありえないと言えるな!!」って言う納得感があるわけです。(ちなみに初出の単行本版はイラストとデザインで、それはそれでよいと思います。ただ私としては「この白い表紙いいなあ」と思っています)
なので、漫画版の白地にキャラクターだけの表紙はすごくいいと思う。絵が魅力的だからこれだけでもとてもいいし。
最高だったと思う。
キャラクターは映画版のキャラデザと合わせてあって、絵柄も似ていると思う。でも映画版でもやもやした「原作の魅力……映画で見えてこない」って感じ、それが漫画版ではしっかり魅力的になっていたと思う。
映画版ハーモニーも、伊藤計劃原作の映画化3作の中では一番すきである。でもその一番すきなハーモニーが、映画全体の中で好きかと言われると正直全然上位に入らなそうだなって思う。
映画で見てて改めて感じたのは、伊藤計劃の長編小説って舞台があっちこちに飛ぶのね。世界中駆け回るの、主人公が。虐殺器官もそうだし、ハーモニーもそう。原作小説を読んでないんだけど(円城塔さんの作品だと思っているので)屍者の帝国も映画で見る限りそんな感じだった。で、映画の2時間ぐらいだと、目まぐるしくなっちゃうというか。いどうしていどうしていどうして!って感じでお話が語られるので、今どこにいるのか、舞台を感じるのに時間がかかっていると見ている人が置いて行かれてしまう。気がしている。
だから、あの時間ではちょっと無理かなと。ただしアニメで1クールやったらもっさりしてしまいそう。あまり展開がない回とか出てきそう。1冊の小説の中での構成を、単純に分割すると毎回盛り上がったり引きがあったりするわけじゃなくなって、楽しめる感じにならないだろう。
漫画はその点、読者のペースでじっくり読めるし、単行本だと特にまとめて読むから山場がなかなか無くて会話劇でもそんなに気にならない。
絵がある割にはお話は分かりにくかったかな~と思う。でも原作にかなり沿ってたと思うのでしょうがないかなあ。
絵柄はハードボイルドでかっこいいと思う。トァンちゃんもミァハも現実離れした美しさと冷たさ、そうあの二人似てるんだよね。そこは作中でも、ミァハを失ったトァンちゃんがまるでミァハをよみがえらせたように、ミァハだったらこうする……を基本に行動しているからだと読み取れたはず。
特に四巻のラストシーンではまったくもって、二人は同一のものから分かれたような描かれ方だったなあと。あと絵がきれいで、風景もきれいで、からっぽでなーんもなくてよかったなあ。原作ファンが「ああ~そうだそうなんだね……」と思えるような……この場合の原作ファンというのは私のことですが、そういう気持ちになりました。
ただ、読み終わってラストのラストの所を読んで、この物語がつづられている形式の大前提を思い出したら、
「これは映像化・可視化するのは野暮ってもんなんじゃないか?」と思ってしまった。だってこれを語っている人も、受け取る人も、このような絵や状況は感……
以上です。
2001年ごろのアフリカ、マラウイが舞台のお話。
お金に余裕はない中でも教育が大事だと思ってくれている両親が、主人公の少年・ウィリアムを学校に通わせてくれていたが、干ばつと飢饉で食べるものもなくなってしまい、学校は授業料が支払えず退学。そのうち学校自体が閉鎖することになってしまったり、食べ物を略奪されたり……と次々襲う困難の中、ウィリアムは図書館で読んだ本の知識を使って風車を立て、風力発電で得たエネルギーで村の畑に水をもたらすのであった……
困難はあるけど人々は苦しい中でも懸命に生活していた。希望を見失うこともあったけど、最終的には勉強と行動が成功に導いたね。
誰かがしぬとかかわいそうな目にあうとかじゃなくて、うまくいったシーンで泣いてしまう映画だった。
基本的に実話がベースなんだけど、ネットで調べてみたら結構違うみたいですね。
映画の最後に実際の人物の写真やその後が出てきていたので、忠実に書かれてるのかと思った。
風車で得たエネルギーは水を引くためじゃなくて照明に使った(水も引いたのかも・干ばつと飢饉と学校の退学は実際に起きた話のようだ)みたいで、ウィリアムも3人きょうだいとして描かれていたけど7人きょうだいの中の唯一の男児だって紹介されていて、だいぶ事情が違いそうだなって。まあきょうだいそんなにいると映画がにぎやかになりすぎるからね……
あと、公式サイトでキャストを見ていたら、みごとにほとんどの人の国籍がばらばら。アフリカの人、イギリスの人、フランスの人。
映画は基本的に英語だった。アフリカっぽい英語。主人公の少年もケニアの人だって。でも私は今年勉強していて、知っているんだ。アフリカといえど広い。こんなに違う国の人が集まって、どうやって映画を撮るんだろう。不思議だ。
わたしには英語とかアフリカの言葉がなじみがないから、発音とかは違和感ないのだろうか?ということがわからない。
「この世界の片隅に」の映画だって、呉の言葉・広島の言葉ってだけでも発音や言い回しが違うということを細かくやっていた。日本の中の、しかも同じ県でもそれだ。ぜったいマラウイなまりの英語ってあるだろう。
たとえば中国の人が映画を作ろうとして、キャストのイメージに合ってるからって日本人とか韓国人とか、モンゴル人とか近隣のアジア人を集めて作るだろうか。それぐらいのことだと思うんだよね~。
うーむむつかしい。
まあそんなことを考えずに映画を楽しむが良いと思います。