【本読んだ】006 うる星やつら(高橋留美子)

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うる星やつら

アニメリメイクで話題になったのをきっかけに読み返しています。

なんとなく手に取った文庫版の3巻、コミックスで言うと5巻~6巻あたりなんですよ。

新装版の表紙はチェリーか……

サンデーコミックスの6巻はたぶんうる星やつらで初めて買った巻で、その分たくさん読み返してるんですよね。

私は「らんま1/2」からオタクになったとはっきり自覚しているのですが、らんまから入ってうる星やつらを読んで、うる星やつらの方が好きになってしまったという思い出があるのです。あーでも好きになったと言っても、うる星やつらはもう連載も終わってたしアニメも終わってたし、オタク的なハマり方は出来なかったな。昔はアニメの再放送ってたくさんあったので、夕方にうる星やつらが再放送しているのを見た記憶はあります。

うちは親から「らんま1/2は見てもいいんじゃない?うる星やつらは本当にうるさいから見ちゃダメ」と言われており(友人は逆だった)、まあそれでもうる星やつらを見てはいたのですがどちらかというと漫画でよく読んでいたのです。

あとゲームをたくさんやった思い出がある。「ラムのウエディングベル」ですね。


キャラクターと毎回読み切りで描かれるSFのすごさ

うる星やつらはドタバタコメディで、ゲストキャラクターが毎回変わってドタバタするというどこからでも読める系のコメディ漫画なわけですが、SFとしてもかなりがっつりしていますよね。

ラムちゃんが持ち込む宇宙の便利グッズも毎回欲しいものがいっぱいだった。ぜんぜん役に立たないものばっかりなのに、なんか欲しいかんじ。

つるつるソープとかほしかったなあ。ラムちゃんが適当に作ったせいでおかしなことになっちゃったけど、それがまた魅力的で。

キャラクターはたぶん、毎回出てきたキャラクターがどれだけ読者に受けるかでその後のレギュラー化とかが決まってたと思うのですが、やっぱりターニングポイントは竜之介じゃないかなあと。

竜之介ももしたいして人気が出なかったら、海にいるキャラで終わってたかもしれない。学校に父親もろともやってきちゃうことを考えると、相当読者に受けたのかな。(勝手な想像です……)

竜之介のキャラクターを生かして出来上がったのが「らんま1/2」なんじゃないかとひそかに思っているので(あんまりインタビューとか読んでなくてこの辺裏をとっているわけではなく、推測です)、それほどの人気だったんだと思うんですよね……


リメイクアニメは時代に受け入れられるのか?

70年代から始まって、80年代後半まで10年近くにわたって描かれた漫画なので時代も大きく変わっています。そして30年以上がたって、さらに時代は変わったわけですよ。

今見ると「おお、いまならこの描写は避けたいかもな」という点があるのも「それはそうでしょう」という感じです。

私は個人的にはジェンダー問題の扱い方は丁寧に考えていきたいと思っていて、雑に大きく「これはだめ、これはいい、こっちがいいのにこれがだめなのはよくない」とか判断していくもんじゃないと思うんですよね。
女性としては、同じ表現だったとしても「ウッ」となる表現と嫌な気持ちにならない表現と大きく違いがあるような気がしているんだけど……

時代を考えても、うる星やつらはかなり女性目線で見てもいいなって感じがするんですよね……この辺うまく言語化出来てなくて申し訳ないのですが……もっとちゃんと文章にして伝えたいな。

ビキニで肌を出しているからだめ、パンツが見えてるからダメとかそういう単純な規制を求めているわけじゃないんですよ。うーん。

なんか明確に「ここがいい!」みたいなの思いついたらメモしよう。どうももやもやして姿が見えてきそうになったらイメージが霧散する、みたいなのを繰り返してしまう。

 

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【本読んだ】005 あそこではたらくムスブさん(モリタイシ)4巻

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あそこではたらくムスブさん 4巻

モリタイシ先生の連載中のラブコメ4巻。1年に1冊ペースなのでじわじわ楽しんでいる。

「湘南ゴム工業株式会社」でコンドーム開発の仕事をしている「ムスブさん」と、ムスブさんにひそかにあこがれている同僚の砂上くんの0.01ミリずつ進むラブコメ最新刊(……と裏表紙にそんなようなことが書いてある)

モリタイシ先生のラブコメはなんかまじめでもどかしいかんじの展開が見どころだと思っていて、それは出世作(たぶん)の「いでじゅう!」でもすでにそうだったわけですよ。いでじゅう!の主人公の林田くんは高校生なりに下心もありつつ、好きな女の子のことをただの「あの子カワイイな」から「好きだな」に変化していくうちに真剣に考えるようになり、相手のことを考えて気持ちを持つようになっていく。

で「なんだこいつら早くつきあっちゃえよ」的なもどかしさを読者に与えつつも「いやいや、ここで付き合うようならちょっと軽いな」という気もさせつつ、少しずつお互いが距離を縮めていく感じ? これがいいんですよねモリタイシ作品のいいところですよ……

で、「あそこではたらくムスブさん」はもういちどそれを!15年越しに見せてくれていますよ。他の、例えば同時に連載中の「ラジエーションハウス」の方でもやっぱりもどかしいかんじの少しずつ分かり合うラブコメ展開を見せてくれてるのですが、「ムスブさん」のほうがさらに恋愛モノとして描かれている感じがあるので、ラブコメに集中できる気がする。集中して楽しみにしちゃうぞ。

4巻はぐぐぐっとね。うん、この「相手の好意を知ってしまった、どう接したらいいのかな」という感じは、いでじゅう!でもあった桃里ちゃんの葛藤をもう一度読者にみせてくれているね。いいよ~好きだよ……女性の方の欲望とか、素直な気持ちもちゃんと見せるのが好き。

5巻も気になるが1年後か~。連載追うのはちょっと、最近連載追うってことしていないなあ。webで見られる分を見るのはしてるけど雑誌は買えてないな。

それにしても4巻のラスト、個人的には「いいのか????そんなところでいいのか???(あかん)」って感じに思ってる。なんかその辺もちゃんとしそうな予感はあるけど……

 

【本読んだ】004 ヘテロゲニアリンギスティコ(瀬野反人)1巻

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ヘテロゲニアリンギスティコ 1巻

腰を痛めた教授の代わりに現地調査へ出かけて、異種族とのコミュニケーションを研究するおはなし。

異種族ともすらすら話せたり、逆に全くコミュニケーションが取れないということはよくあるけれど、実際にお互い文化があって同種では意思のやり取りをしているっぽいのなら 、異種族でも何とかコミュニケーションをとれるんじゃないか?という思考実験のようなまんが。

ストーリーものなのかな?と思ったら、この漫画、1ページ漫画の連続で構成されているのね。帯に「エッセイ風」って書かれているのも納得な感じ。

内容はゆったりしてて、知的好奇心が満たされる感じでいいですね。読者の知的好奇心というよりは主人公の知的好奇心。読者としてはもう少し情報が欲しいかなあ。主人公以上に手探りで、なかなか入り込めない。その辺は現代劇じゃなくて異種族がいるファンタジーっぽい世界が舞台の作品はしょうがないところではある。あと私が普段あまりそういう作品を読み慣れてないというのが大きいかな。

また何かのついでにでも2巻以降も少しずつ買って読んでいこう。

 

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【本読んだ】003 かりあげクン(植田まさし)5巻

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かりあげクン 5巻

植田まさし先生の四コマ好きで、中でもかりあげクンは好きでいろんなタイプのコミックスを持ってました。

文庫版、コンビニコミックス、英語版……

コンビニコミックスは結構大量に持ってたし、英語版など今こそ読み返したいのに、たぶん引っ越すときに処分してしまっている。


今年の6月にかりあげクンのkindle(電子)版が 激安になったことがあって、なんと50巻までセットで2750円だったんですよ。

「そんなに……よめねーよ!っていうかすでに結構読んでるしな!?」と思ったんですけど、あまりの安さに「いいか!買っておこう!」と買ったのです。

で、せっかくだから1巻から読み返しています。順番通りじゃないけど少しずつ既読を増やして、今日5巻を読み終えたところ。


1巻から読まなくたっていい、好きなところから読もう

かりあげクンに限らないのですが、長期連載のものは「1巻から読む」にこだわらない方がいいと思う。ましてや、四コマとか1話完結のものなど、どこから読んだっていいのだから。知っておかなくちゃいけない前提なんてないよね。かりあげクンだって結局「どうやらこいつがかりあげクンで主人公だな」「会社員で、男性なのね」「これが上司か」ぐらいしか情報ないんですよ、最初から読んだって。だから近年の巻から読む方がいいぐらいだと思う。

そんなことを言い出した理由は、5巻あたりはさすがに時代が違うんですよ。83年発行らしいです、まだまだ昭和!

絵柄がだいぶこなれてきて、初期より今の形に近いからそんなに違和感なく読めちゃうんだけど、かりあげクンは
・痴漢行為をする
・のぞきをする
・セクハラをする
って感じで、いま見るとちょっとギョッとするわけです。でもその当時はそれがギャグになったのですよね。だけど今読むとそういう描写にちょっと引いてしまう、読者の自分がいる。

かりあげクンはわりとキッツイイタズラ(相手が大ケガする可能性がある、実際相手が痛い目に合ってる、キセルなど正直違法行為なことをする、など)いろいろやるので、その辺はまあ言っても仕方ないのですが、でも今の私が「これはちょっとなあ」と引くのはしょうがないんだよね。昔から気づいていてスルーしてたけど、今はもう一歩進んだ感じで「いやだなあ」と思ってしまう。

でもそれは時代もあるので、近年の作はそういう感じも薄まっている気はする。

係長の扱いがヒドイとかはあるかもしれないけど、まあそれはもうしょうがないかな。そういうギャグ漫画だと思って読むのが一番ですよ。かりあげクンは人をからかって、おちょくることで笑えるギャグの漫画なんだから……いわゆる「誰も傷つけない笑い」にはならないし、それはそれで絶対にダメというわけではないと思う。


おまけ、ドラえもんの話

先日、ネットの新聞の会員限定記事を読んでいて、「ドラえもん」を今のこどもにすすめたかったけど、1巻を読んでみたらジャイ子の扱いがひどくて、こどもにどう説明したらいいのか悩んでしまった……という内容の記事があって、

それを見て私は「あ~、別に一巻から順番に読む必要はないんだから、途中の巻とか比較的新しい巻から読むのでいいのにな」と考えたのでした。

実際、わたし自身もドラえもんを1巻から順に読んだ記憶はない。適当に4巻とか5巻とか、16巻とかつまみ食いして、そのうち「もってないドラえもんも買って読みたい」と抜けている巻を買いそろえたという感じなので、そういう読み方でいいと思う。

ジャイ子は後からちゃんとフォローがあるというか、だんだん味が出てきてそれなりに「語られる」キャラクターなので、1巻の描写にギョッとしてしまったなら、そこは読まずに20巻以降などや大長編からなど手に取りやすいところから始めたらいいと思う。そうしたら、後で1巻を読んでもそんなにびっくりしないんじゃないかな。

漫画には最初からストーリーを追わないと読めないものと、追わなくてもいいものがあると思うので、適宜読み方を変えていければと思う。

 

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【本読んだ】読んだ本の感想記事一覧

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読んだ本

新しいものを上に乗せていきます。

 

【本読んだ】007 ドラえもん(藤子・F・不二雄)0巻

【本読んだ】006 うる星やつら(高橋留美子)

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【本読んだ】001 凪のお暇(コナリミサト)9巻


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