【漫画の感想】進撃の巨人読み返している

進撃の巨人読み返している。1巻から14巻まで来たかな?半分ぐらいか。

1巻はkindle版が0円だった。(2019/5/17現在の情報です)

初期のほうから通しで読み返したことがだいぶ長いことなかったので、ここらで読んで置こうと思いまして。

こうやって読み返すと、結構初期のほうで後の展開考えてたのかな?っていう、もうその設定でやってるなって分かるところありますね。

「バクマン。」の中で、伏線になりそうな謎をちりばめておいて、後からそれを使うことで話を面白くするんだっていうテクニックが語られることがありましたけど、そういうので何とかなるものとならないものがあると思うんですよね。

だから、やっぱり進撃の巨人は大きくどういう物語にしてどういう謎があるかを最初に決めて書いているんだなと。こういうの描き始めるの時間かかりそう……あとボリューム感を決めるのも大変そう。もう10年近く?連載が続いてるわけですけど、そんなに長く描くって決めてないとねえ。なかなかこういう風に書けないかなと。最初からすべて決まってたわけではないのはわかりますが。


現在の最新刊まで、どういう話になっていくかをわかってて読むと過去の感じがつらいですね。後でこれああなるんだよな~とか、まだこのころみんなあのこと知らないんだな~とか。そういう大きな「信じている」ことを胸に生きているわけですからね。それが違っちゃったり、変わっちゃったりするというのはなかなか精神的にキますね。


そして大筋の謎をもう知っちゃってるから、初めて読むときの気持ちになれないのも寂しいですね~。ドキドキする感じが懐かしいというか……

【漫画の感想】月曜日の友達1巻、2巻(完結)

「月曜日の友達」全2巻をようやくよんだ。

だいぶ前に1巻を買ってあって、ずっと積んであったのを読んで、そのあと2巻も買って読んだのだ。

中学生になって、周りが小学生の時と違ってどんどん大人っぽくなっていくことに、ひとり「このままではいられないのだろうか」と感じていた女子・水谷が、ひょんなことから「超能力の鍵」ではないかと同級生の男子・月野に目を付けられ、二人は月曜日の夜、学校にこっそり忍び込んで「超能力の訓練」をするようになる。

ただの「超能力の相方」であった二人だけど、少しずつ距離は近づいて行って、心を許し合い、かけがえのないものになっていく。

2巻からは新しい関係性も加わって、二人は二人ではなくなっていく危機もある。
でもまだまだ二人の関係は深まっていく。自分の気持ちにも気づいていく。


年齢的なものもあって、恋愛未満・でも友達以上、家族でもないという不思議な関係が深まっていく様子が描かれている。

とにかく世界が美しいですね。私も好きなんですが、夜というのはなんと輝いているのでしょう。夜は、人と人は見つめ合っていいのかもしれない。灯りを消して、ひとから隠れて、他に見えるものは無いことにすればいい。


1巻がなんだかすごかったので、もしかするとすごく「初めて見る」漫画なのかもしれないととても期待した。でもラストはそこまで期待を超えてこなかった、でも予想通り美しく終わった。語りつくされることがない二人の関係は、このあとどのように未来を選び取っていくのかは、まだ来ていない未来なのだから、読者にも登場人物にもわからないんだろうな。

それでいいのだ。

2019/04/30 令和を前に、平成に、昭和天皇の漫画を読んでいる

ちょうど最近こちらを読み始めたんですよ。まだ既刊全部読んでないですけど。

昭和天皇物語

昭和天皇物語2

ぜんぜん知らないもんなあ。平成になってから天皇陛下のことはテレビで見てて「こういうお方か」みたいな印象はあるけど、昭和天皇のことは子ども過ぎて「なんかえらいひとらしい」っていうイメージしかなかった。あとはやっぱり第二次世界大戦の知識とか? あと亡くなった時の世間の雰囲気からちょっと怖いイメージというか。不可侵な印象があったわけですよ。

「昭和天皇物語」はいまだから描けた漫画という感じだけど、これを読んでいると「天皇陛下の周りにはたくさんのいいひとがいるもんなんだな」と思ってしまう。いい人・変えていこうと努力してる人ばっかりだな?

平成→令和 の改元にまつわるいろいろも、考えてみると「天皇にかかわるいろいろなことを時代に合わせて変えていきたい」という、未来や子孫に向けた変革を少しずつ行っているということのように感じてきた。


まあすべてうのみにしているわけではないので、純粋に「こうだったんだ~」って思うわけではないけど、でも嘘を書いているわけでもないだろうということで。

私としては昭和天皇はウミウシの研究をしていたということでなんかすごく親しみを感じる。ウミウシ好きなんで。


しかし、一応歴史をちょこちょこ知っていると、ネタバレ(笑)というか「この人のちのあの人じゃね……?」っていうのがわかることがあって、うーん、今後の展開を楽しみに待ちたい。せっかくだから漫画で読んでからエピソードの詳細を調べてみようかな。

 

【漫画の感想】イタズラなkiss 2かいめ

前回の感想のつづきをさらに書くぞ。

前回の記事はこちら。
【漫画の感想】イタズラなKiss

文庫は6巻まで読み終わりました。

あるいみここでひと段落するということと、最高に萌えるキュンキュンするアツイ展開が6巻までにありますので、時間がない時などは6巻までの読み返しで「フオー読んだ~~」って感じになるんですけどね。今回はもう少し先までじっくり読んでみようかな。

やっぱりこのマンガでいいなあと思うのは、キャラクターがたくさん出てくるものの、一番中心である琴子と入江くんを絶対外さずに描くところだと思うのですよ。例外はありますけど、基本的にその人たちが外れて別の人々を掘り下げるってことがない。

あーーーー
それが好きなところなのかも。ほかのまんがで、たまに「キャラクターがたくさん出てきて、にぎやかなのはいいけど、みんなを掘り下げすぎてなんだか長く感じるなあ」と思うことがあるのですが、もしかしたらそういう
「キャラクターがたくさん出るけど大事にされている感じがする」
と好印象なものと、
「キャラクターがたくさん出て、みんなのエピソードが書かれてるけど、蛇足で冗長になってる気がする……」
と悪印象なもの、違いはそこにあるのかもしれない。

主人公たちが必ず絡むところでサイドストーリーが語られる。掘り下げと、エピソードの完結があるけど、ズレてしまわないというか。

入江くんと琴子を描く傍らに、ほかの人々の関係性の変化や成長も見えてくるっていう。これすごいことなんじゃないか。

琴子の親友のじんこやさとみの恋愛や、彼氏との進展やどういう人物なのかっていうのが、別エピソードなどなしに「琴子の恋を描く傍らで」どんどん語られて積みあがっていくわけですよ。

このあと金ちゃんにもいい子が出てきて、そこはわりと離れる感じはあるけど、でもやっぱりいつでも琴子と入江くんが絡んでこないことはないよね。

あ、ここまでかいといて気づいたけど、単純に群像劇かそうじゃないかっていう違いかもしれない。うーん。もう少し考えてみよう。


あとは、入江くんが天才で何でもできる器用な人間だけど、肝心の「やりたいことがない」というところに少しコンプレックス……とまでいかないけど悩みがあって、不器用で頭も良くないけどやりたいことだけはいろいろみつかる琴子のことを好きになってしまうというのはやっぱり説得力があって、単純に「ヒロインだから好きな男とはうまくいくもんなんだ、たいして美人でもなく性格が無茶苦茶いいとかじゃなくてもなぜかみんなにモテる主人公」というキャラじゃないのが魅力なのかもしれない。あと、入江くんが完璧な人間設定なのに、どこか欠けてるというか、だれにでもモテるわけじゃないところもいいなあと。


キャラクターの中にはオタクも出てきて、オタクの扱いはひどいもんなんだけど(笑)差別的かっていうとそうでもないというか。彼らには彼らの活躍の場が用意されていて、しかも一発じゃないのがまた良い。オタクが頑張ってなんかすごいことをやってのけたり、オタッキーパワーでのし上がったりなんかそういう。それはそれで楽しんじゃうところがいいなあと。琴子が特撮にはまってみたり、アニメになったり。そういうところも見どころかなあ。

あとはステロタイプな「恋愛体質の女の子」として書かれているようでいて、恋が成就したからと言って家庭に入って優しい妻になったりするわけでもなく、ずっと行動的で働いて入江くんを追っかけ続けるのもいいところ。イニシアチブは入江くんにあるように見せかけて、琴子も振り回しまくりだもんねえ。


 

【漫画の感想】イタズラなKiss

唐突にいま読んでる3巻の感想を書く。3巻というか、読み返してたら言いたいことができたという理由で書きますよ。

イタズラなKiss 

数少ない好きな少女まんがということで(というかどれもジャンルにしたらそんなに無いのかも……少女漫画をあんまり読めていない気がするので)
年に1回ぐらいは読み返しているのです。

私が読む少女漫画のほうでは新しい作品かもしれない、といいつつ、平成初期のマンガです。

有名作品なんでネタバレとか気にせず、あとネタバレとかで大枠がバレたところでこの作品の良しあしにはあんまり関係ないですよ。

衝撃の展開!という内容ではなく……と言うとそれもまた違う気がする、ひとつひとつのエピソードは「へえ!」「そう来たか!」という感じでわくわくするんですけど、どんでん返しとか予想を裏切る展開!とかそういうバレてるとつまんなくなっちゃうネタじゃなくて、ディテールを楽しむような感じ?

1巻の表紙からイチャイチャしてるじゃないですか。でも正直1巻のうちは全然イチャイチャしてないですよ。どっちかというと、男の子キャラ・入江くんはひどい男で、冷血で、あんまり人の心とかを考えるタイプではなく、冷めていて「どーでもいい」「頭の悪い人間嫌いなんで」みたいな感じで何にも興味がないわけですよ。とにかく感情が平坦で動かないタイプの人間なわけです。

逆に主人公の琴子は、補って余りある動きの多いキャラで、行動的で、好きなものにまっしぐらで、「やってみたい」って感じでどんどんやってみては失敗したりしている。凹んだりもするけどやっぱり挑戦するタイプのキャラ。

全編をとおして、この漫画の中では「入江くんが琴子に振り回されるうちに、感情を出したり、困ったり、対処したりしてどんどん人間らしくなっていく」という話なんですよね。琴子の成長……もあるけど、基本的には琴子がいかに入江くんをいい男に成長させていくかという話なわけですよ!!

すれちがい、勘違いや思い込みでうまくいかないこともあるけれど、そんなに長くズレっぱなしにならない(ここ重要、読んでて不安になっちゃうもんね)し、読者目線ではもうわかっちゃうんだよねこのカップルが「間違いない」ことがね。


物語としてはストレートに語られているようで、細かい技法には毎回気づかされてドキッとしてしまう。さりげないせりふ回しで、セリフの裏に隠れた本当の気持ちみたいなのが表現されていて、気づかなくてももちろん大丈夫だし気づくと「ああ、もうここでその気持ちが出てたんだ」とじーーんとしてしまう。

入江くんはもうかなり初期の段階で、琴子のことが好きでほかのやつになんか取られたくないって思ってるっぽいんだけど、本人も気づいてないんだよね。読者がもし入江くんに話しかけられるとしたら「入江くん、それはもう琴子のことが好きなんだよ」と言ってしまいたい気持ちにすらなるね!早く気づけ!!って思っちゃう。そこがいい。


気に入ってるのは、最初苗字で「相原」って呼んでたのが、ある時を境に「琴子」って呼ぶようになって、その後もう相原に戻らずずっと「琴子」なんですけど、その切り替えがほんとさりげなくて自然で好き。
他の男(ライバルのようで全然ライバルになれていない)・金ちゃんが、普段から仲良しだという立場から「琴子」って呼び捨てにしているのに対して煽る目的で「琴子にね」って言って見せた後は、ずっともう琴子。

呼び捨てイベントが作られてもいいぐらいなわけですが(実際ほかのまんがとかだと、呼び捨てとか名前で呼ばれる瞬間ってので1エピソード描いたりするよね)そういうこともなくさらっと。ああーーいい。


入江くんは「はっきり言うけど嘘はつかない」キャラなのですが、たびたび琴子にせめられて「なんか反応しなくちゃいけない」シーンになることがあるのですが、そのたび上手に?嘘にならないようにはぐらかしてるんですよね。そこがいい。

「あたしとまた住むのがイヤならイヤって はっきりいえばいーじゃない」
「意地悪? そうだよ おまえ見てるとイライラしてくるんだよ」
(文庫版3巻78p)

「住むのがいやならはっきり言え」という琴子の煽りに乗らずに
「意地悪がイヤだったら目の届かない場所にいけよ」とかわすわけですよ。
琴子としては「ガーン!ひどいこといわれた」という場面になるんですが、読者目線だと「琴子!入江くん一緒にすむのがイヤだって言わないよ!!」となるわけ……ですよ。こういう細かいずらしのテクニックを使って入江くんはうまいこと
「自分の気持ちをはっきり言わない、でも嘘はついてない」
という状態に常に持っていくわけですよ。

この会話劇はすごいと思うのです……もしかすると多田かおるさんはそれを計算抜きでやってのけてるかもしれない。計算しててももちろんすごいわけですけど。


この調子で、今回の読み返していくつ「会話の妙」に気づくことができるだろうか。いや~まだまだ発見があるなあ……