【本読んだ】007 ドラえもん(藤子・F・不二雄)0巻

★読んだ本の感想シリーズの記事をこちらにまとめてあります。

ドラえもん0巻

1~45巻まで。100年ドラえもんで1~45巻まで。藤子・F・不二雄大全集で全巻。カラーコミックス、ぴっかぴかコミックス、各種特集本、文庫版。

いろんな形で「ドラえもん」原作を手元に持っている。

大全集を持っているのはなかなか心の支えになっていて、0巻についても「大全集には載っているんだから」と買わずに過ごしていた。買ってからも長らく積読になっていた。でも実は、大全集をまだ全然読めていないので、すべてのドラえもんを網羅できているわけではないことがずっと心の片隅に「クリアしなくてはいけない問題」として残っている……

ドラえもん 0巻 (0巻) (てんとう虫コミックス) 

去年の年末から、積読を崩すモチベーションが上がっている。私は自分の知らないものに触れるのが本当は苦手で、いや好きなんだけど、結構体力と気力を使うんだよね。それで積読が増えていた。

0巻読んだ。

もっと早く読んでおけばよかった……買ってからずいぶん経つのに。

やっぱ、大全集は大全集でいいものだけど、こうやってテーマに合わせて再編集してくれるのってすごく重要だなと感じた。

0巻に掲載されているまんがは、大体どこかで一度読んでるような気がするんだけど、読んだことがないらしい「愛妻ジャイ子」がすごくよかった。

読んだことないのかなあ? ちょっと他の掲載誌リストを見てみるか。

全集の1巻にしか掲載されてないのか……じゃあ見てなかったんだ。全集頭から読まずに、途中を拾い読みしているからな。

ジャイ子と将来結婚したくなさすぎて、ジャイ子に嫌われようと努力するのび太だけど、バカにされながら不運に振り回されたりする現状にあきあきし、立ち向かうことに決めた……ところをジャイ子が見ていて、「そんけいしちゃう」と見直してくれるという展開。これいいなあ。

ジャイ子 結構好きなんですよね。子どものころから、漫画を描いてるところなんかもわたしと共通点があるし。巻が進むにつれ、魅力的になっていくキャラですよ。

1巻の前にこれ(0巻)を読むという順番、ありかもしれない。

もしくは、1巻のあとに戻ってくるとか。うーん、子どもには1巻とか関係なく、初期の素直に笑えるギャグから読んでもらえたらいいなあとファン的には思う。

先日webに掲載されていた新聞のコラムか何かで、「ドラえもんは子どもの頃の思い出からいいものだと思っていて、自分のこどもにもぜひ読んでほしいと思って久しぶりに1巻から読んでみたら、しょっぱなから「かわいいしずちゃんをおよめにもらいたい、ジャイ子なんていやだ」という展開で、子どもに見せたくないと思ってしまった……」という話を読んで。確かにそういう風に言われるとそう思っちゃうんだよなあ。もしドラえもんの1巻の第1話しか読まない、1巻~数冊ぐらいしか読まないで終わっちゃったら、ジャイ子の魅力ものび太としずちゃんの関係性もよくわからない・発展しないままになってしまう。

私としては、ドラえもんはどこからでも読めるようになっているし、「1巻でどういう理由でのび太のところに来たのか」なんてのは気になってから知ればいい話で、途中の巻でも面白いと思ったところを読んでいけばいいと思うんですよね。

とくに20巻以降なんかは、絵もアニメの絵と似た感じに安定してきていると思うし、30巻以降とかでもいいだろう。とにかく初期ドラから順番にふれさせようなんて考える必要はないと思う。 アニメだって最初は「勉強べやのつりぼり」から始まってるんですよ。ドラえもんは最初っからいる感じですよ。

ドラえもん 勉強べやのつりぼり – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%88%E3%82%82%E3%82%93_%E5%8B%89%E5%BC%B7%E3%81%B9%E3%82%84%E3%81%AE%E3%81%A4%E3%82%8A%E3%81%BC%E3%82%8A

「勉強べやのつりぼり」はパイロットフィルムということで、本編はじゃあどうだったんだというと……

ドラえもんのアニメエピソード一覧 (帯番組) – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%88%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%89%E4%B8%80%E8%A6%A7_(%E5%B8%AF%E7%95%AA%E7%B5%84)

「ゆめの町 ノビタランド」から。


とにかく、世の中「ドラえもん」を知った気になった人が多いなあと思う昨今。

わたしも全部読めてないし全部記憶してるわけじゃないから、たいして偉そうなことは言えないけど……でも「ドラえもんってこうでしょ」と断言するならば、もう少し読んでおいてほしいと思うのであるよ。アニメでみたような記憶と、ネットで前後がわからないけど切り抜かれたシーンの話を聞いて「そういう話かあ」って思ってるだけなことも多いだろうに、なぜかきっぱり「ドラえもんってこういう漫画」と断じる人に出くわすことが多くて、遠い目になってしまう。

せめて私はもう少し、みんなの代わりにドラえもんを読んでおいて、辞書のように「あ、それはこういうエピソードで”それは違う”とはっきり言えますね。単行本〇巻・サブタイトルは〇〇です」みたいな返しができたらなあ……出来るのもあるけどやっぱ網羅性と速攻性がよくない。

何をめざしてるんだわたしは?

★読んだ本の感想シリーズの記事をこちらにまとめてあります。

【図鑑001】いろいろ たまご図鑑 ポプラ社【動画】

 

図鑑が好きでいろいろ持っているが、「図鑑を読む」のも好きだ。

・図鑑は眺めるもの
・図鑑は必要な時に必要な部分を確認するもの

という使い方が本来の用途なのかもしれない。だが、私は子どものころから図鑑は「頭から順にめくっていくもの」として読んでいた。ほかの書籍と同じだ。

何度も何度も読んだ図鑑もある。1ページずつめくって、「こんな生き物がいるんだ」「こんな植物があるんだ」「こういうところに行けばこれがあるんだ」図鑑は、調べようと思っているもの以外のこともたくさん教えてくれる。全部読まなきゃもったいない。


ここでは、そんな「読んで楽しかった」図鑑を紹介したいと思う。

すでに手に入らないものが多いが、きっと今でも様々な図鑑が書店にはあるだろう。私も日々、見つけては買い求めている。何度読んでも楽しくて、たくさんのことが知れる図鑑に出会いたいのだ。


いろいろたまご図鑑

256p A5サイズ ポプラ社 1650円+税 ISBN4-591-08554-6
2005年2月発行 出版社のページ(品切れ中)

いろいろたまご図鑑
いろいろたまご図鑑

2005年、書店で発見してすぐ買ってしまった本。

私たち人間は生き物の中でも、動物で哺乳類だ。

身近なのによくわからないのが、卵から生まれる生き物たち。哺乳類だって卵から始まると考えると卵を持っているのに、なぜか産み落とされた卵から生まれる生き物のことを「遠い存在」のように考えてしまっていないだろうか。

なんとなく「卵から生まれるんだろうな」と考えた時、想像するのはニワトリやウズラのような鳥の卵。少し楕円形で、外側が固い。

もしくは、さかなの卵。たらこや数の子のような集合したものから、イクラのようにばらけたものまで(食品のイクラは筋からバラしているのだが……)。

じゃあ、虫や、タコや、ヒルはどんな卵から生まれてきているのか? 考えてみると知らないのではないだろうか。

たまご図鑑でたっぷり見られる

そんな「知っていそうで知らない身近な生きもの」の卵をいろいろ掲載しているのがこの「いろいろ たまご図鑑」なのだ。鳥の卵もたくさん掲載されているが、こんなに鮮やかな青い卵、赤い卵があったのか!?とまず驚く。

ニワトリの卵でなんとなく「鳥の卵」に慣れ親しんでいるが、ではカラスの卵を見たことがあるか? ウグイスの卵を見たことがあるか? という話なのである。

虫の卵も、チョウチョの卵は見たことがあるかもしれない。しかしそれは何ていうチョウだったか?バッタの卵を見たことはあるか?カは?ハエは?と考えると、身近にいる動物でも卵を見たことはないと気づくだろう。

「卵」というからには、産卵管や総排泄口から産まれてくると思ってしまうが、ミミズの卵は「脱ぐ」のだとこの本には書いてある。ミミズの体の外側に分泌されたものがだんだんかたまって、……(中略)……最終的にはそれを頭から「脱ぐ」ことで卵を産み落とすという。

知らなかった。卵、産卵というとかなりイメージが固まってしまっていたんだなと実感する。ミミズもどこかから卵を「産んでいる」のかと思っていた。「脱ぐ」なんて……そんな増え方をする生き物がいると考えると、おもしろいと思ってしまう。

参考サイト:
RIVER-WALKブログ【ミミ活⑱卵ではなく卵胞ですから‥】 | RIVER-WALK
http://river-walk.co.jp/?p=11110

写真が大きく、文章もしっかり読める

基本的に見開きにひとつの種類の卵が紹介されている。生き物の名前と、「科」の名前と、卵の大きさがそれぞれに書かれている。日本に生息する生き物たちで構成されており、ダチョウやハチドリのような卵もコラムで紹介されている。

写真がページの大きい部分を占め、卵の写真はページの半分以上の大きさで紹介されている。きれいで、眺めているだけでもとてもたのしい。

文章も読みごたえがあり、エピソードが良い。

表紙の写真の真ん中より少し左上にあるキラキラした宝石のようなものは、なんと「ヤマビル」の卵なんだそうだ。あの、山にのぼるなら気をつけなくてはいけない厄介者のヤマビル……こんな美しい卵で増えるなんて……

ヤマビルのページの文章を読むと、その卵をどうやって産んだのかは分かっていないらしい(少なくとも図鑑の著者には)。ヤマビルを入れていた容器の落ち葉の下に転がっていた、どうやってできたのかは不明だがヤマビルの卵のうだ、というエピソードが書かれている。このたまごの美しさにとても驚いた様子が文章から伝わってくる。

卵は生き物の「秘密」なのだ

こうやって一冊にまとめて「卵」を見ていくと、やはり「卵」は秘密なのだ、と感じた。一番守りたくて、無防備な生き物の最初の姿。それをたっぷり堪能できるこの図鑑はやはり素晴らしい!

 


【動画でも紹介しています】

図鑑の紹介動画をはじめてみました。中身を見せるのではなく、延々表紙をサカナに好きなポイントを語るという動画です。文章での紹介とはガラッと変えて、ホエホエ~としたしゃべりでオタク的早口でご紹介します。ぜひ見てみてね。見てくれる人がいるなら他の図鑑もどんどん紹介していこうと思っています。

 

【本読んだ】006 うる星やつら(高橋留美子)

★読んだ本の感想シリーズの記事をこちらにまとめてあります。

うる星やつら

アニメリメイクで話題になったのをきっかけに読み返しています。

なんとなく手に取った文庫版の3巻、コミックスで言うと5巻~6巻あたりなんですよ。

新装版の表紙はチェリーか……

サンデーコミックスの6巻はたぶんうる星やつらで初めて買った巻で、その分たくさん読み返してるんですよね。

私は「らんま1/2」からオタクになったとはっきり自覚しているのですが、らんまから入ってうる星やつらを読んで、うる星やつらの方が好きになってしまったという思い出があるのです。あーでも好きになったと言っても、うる星やつらはもう連載も終わってたしアニメも終わってたし、オタク的なハマり方は出来なかったな。昔はアニメの再放送ってたくさんあったので、夕方にうる星やつらが再放送しているのを見た記憶はあります。

うちは親から「らんま1/2は見てもいいんじゃない?うる星やつらは本当にうるさいから見ちゃダメ」と言われており(友人は逆だった)、まあそれでもうる星やつらを見てはいたのですがどちらかというと漫画でよく読んでいたのです。

あとゲームをたくさんやった思い出がある。「ラムのウエディングベル」ですね。


キャラクターと毎回読み切りで描かれるSFのすごさ

うる星やつらはドタバタコメディで、ゲストキャラクターが毎回変わってドタバタするというどこからでも読める系のコメディ漫画なわけですが、SFとしてもかなりがっつりしていますよね。

ラムちゃんが持ち込む宇宙の便利グッズも毎回欲しいものがいっぱいだった。ぜんぜん役に立たないものばっかりなのに、なんか欲しいかんじ。

つるつるソープとかほしかったなあ。ラムちゃんが適当に作ったせいでおかしなことになっちゃったけど、それがまた魅力的で。

キャラクターはたぶん、毎回出てきたキャラクターがどれだけ読者に受けるかでその後のレギュラー化とかが決まってたと思うのですが、やっぱりターニングポイントは竜之介じゃないかなあと。

竜之介ももしたいして人気が出なかったら、海にいるキャラで終わってたかもしれない。学校に父親もろともやってきちゃうことを考えると、相当読者に受けたのかな。(勝手な想像です……)

竜之介のキャラクターを生かして出来上がったのが「らんま1/2」なんじゃないかとひそかに思っているので(あんまりインタビューとか読んでなくてこの辺裏をとっているわけではなく、推測です)、それほどの人気だったんだと思うんですよね……


リメイクアニメは時代に受け入れられるのか?

70年代から始まって、80年代後半まで10年近くにわたって描かれた漫画なので時代も大きく変わっています。そして30年以上がたって、さらに時代は変わったわけですよ。

今見ると「おお、いまならこの描写は避けたいかもな」という点があるのも「それはそうでしょう」という感じです。

私は個人的にはジェンダー問題の扱い方は丁寧に考えていきたいと思っていて、雑に大きく「これはだめ、これはいい、こっちがいいのにこれがだめなのはよくない」とか判断していくもんじゃないと思うんですよね。
女性としては、同じ表現だったとしても「ウッ」となる表現と嫌な気持ちにならない表現と大きく違いがあるような気がしているんだけど……

時代を考えても、うる星やつらはかなり女性目線で見てもいいなって感じがするんですよね……この辺うまく言語化出来てなくて申し訳ないのですが……もっとちゃんと文章にして伝えたいな。

ビキニで肌を出しているからだめ、パンツが見えてるからダメとかそういう単純な規制を求めているわけじゃないんですよ。うーん。

なんか明確に「ここがいい!」みたいなの思いついたらメモしよう。どうももやもやして姿が見えてきそうになったらイメージが霧散する、みたいなのを繰り返してしまう。

 

★読んだ本の感想シリーズの記事をこちらにまとめてあります。

【本読んだ】005 あそこではたらくムスブさん(モリタイシ)4巻

★読んだ本の感想シリーズの記事をこちらにまとめてあります。

あそこではたらくムスブさん 4巻

モリタイシ先生の連載中のラブコメ4巻。1年に1冊ペースなのでじわじわ楽しんでいる。

「湘南ゴム工業株式会社」でコンドーム開発の仕事をしている「ムスブさん」と、ムスブさんにひそかにあこがれている同僚の砂上くんの0.01ミリずつ進むラブコメ最新刊(……と裏表紙にそんなようなことが書いてある)

モリタイシ先生のラブコメはなんかまじめでもどかしいかんじの展開が見どころだと思っていて、それは出世作(たぶん)の「いでじゅう!」でもすでにそうだったわけですよ。いでじゅう!の主人公の林田くんは高校生なりに下心もありつつ、好きな女の子のことをただの「あの子カワイイな」から「好きだな」に変化していくうちに真剣に考えるようになり、相手のことを考えて気持ちを持つようになっていく。

で「なんだこいつら早くつきあっちゃえよ」的なもどかしさを読者に与えつつも「いやいや、ここで付き合うようならちょっと軽いな」という気もさせつつ、少しずつお互いが距離を縮めていく感じ? これがいいんですよねモリタイシ作品のいいところですよ……

で、「あそこではたらくムスブさん」はもういちどそれを!15年越しに見せてくれていますよ。他の、例えば同時に連載中の「ラジエーションハウス」の方でもやっぱりもどかしいかんじの少しずつ分かり合うラブコメ展開を見せてくれてるのですが、「ムスブさん」のほうがさらに恋愛モノとして描かれている感じがあるので、ラブコメに集中できる気がする。集中して楽しみにしちゃうぞ。

4巻はぐぐぐっとね。うん、この「相手の好意を知ってしまった、どう接したらいいのかな」という感じは、いでじゅう!でもあった桃里ちゃんの葛藤をもう一度読者にみせてくれているね。いいよ~好きだよ……女性の方の欲望とか、素直な気持ちもちゃんと見せるのが好き。

5巻も気になるが1年後か~。連載追うのはちょっと、最近連載追うってことしていないなあ。webで見られる分を見るのはしてるけど雑誌は買えてないな。

それにしても4巻のラスト、個人的には「いいのか????そんなところでいいのか???(あかん)」って感じに思ってる。なんかその辺もちゃんとしそうな予感はあるけど……

 

【本読んだ】004 ヘテロゲニアリンギスティコ(瀬野反人)1巻

★読んだ本の感想シリーズの記事をこちらにまとめてあります。

ヘテロゲニアリンギスティコ 1巻

腰を痛めた教授の代わりに現地調査へ出かけて、異種族とのコミュニケーションを研究するおはなし。

異種族ともすらすら話せたり、逆に全くコミュニケーションが取れないということはよくあるけれど、実際にお互い文化があって同種では意思のやり取りをしているっぽいのなら 、異種族でも何とかコミュニケーションをとれるんじゃないか?という思考実験のようなまんが。

ストーリーものなのかな?と思ったら、この漫画、1ページ漫画の連続で構成されているのね。帯に「エッセイ風」って書かれているのも納得な感じ。

内容はゆったりしてて、知的好奇心が満たされる感じでいいですね。読者の知的好奇心というよりは主人公の知的好奇心。読者としてはもう少し情報が欲しいかなあ。主人公以上に手探りで、なかなか入り込めない。その辺は現代劇じゃなくて異種族がいるファンタジーっぽい世界が舞台の作品はしょうがないところではある。あと私が普段あまりそういう作品を読み慣れてないというのが大きいかな。

また何かのついでにでも2巻以降も少しずつ買って読んでいこう。

 

★読んだ本の感想シリーズの記事をこちらにまとめてあります。