2019/11/22 最近買って読んでいる本「ワックスプリント」

最近、本屋さんで見かけて「これ欲しい!!!」と思って買ってしまった本。
すこしずつ読んでいるのですが、面白い。

ワックスプリント 世界を旅したアフリカ布の歴史と特色

大型本で、厚みもずっしり。図案だけでも楽しそうだな~と思ったので買いました。

今年は本当にアフリカづくしの一年になって、勉強したり、イベントに行ったり、本を読んだりといろいろしています。


最近アフリカの布の存在に気が付いて(もちろん知ってはいたけど興味を持って見ていなかった……)「これって何だろう?」と思い始めたんですね。

大胆な図案、派手な色使い、生活に欠かせないぐらいあちこちで使われている布……

アフリカについてのテレビ番組で、布について取り上げていたのを見たのも大きいです。ケニアやタンザニアにあるカンガという布には、ことわざのような文が書いてある。

KILA BINADAMU ANAHITAJI MSAADA WA MUNGU
誰もが神の助けを必要とする
USIOGOPE MAISHA MUNGU NDIYE ANAYEWEZESHA
人生の神を恐れるな
MUNGU WA NEEMA TUTANGULIE DAIMA
神の約束
KILA JAMBO JEMA HUTOKA KWA MUNGU
すべての良いものは神から来ます
EE MUNGU NALITAJA JINA LAKO NIWE WAKO MILELE
神よ、私はあなたの名前をあなたの永遠にしました

こんなようなことが書いてあると。

これらは私がネットで販売されているカンガに書かれてた文章を、google翻訳にかけて訳したものです。

例えばAmazonで売ってた↑これには 「MUNGU TUPE SALAMA TUISHI KWA KUPENDANA」訳すれば「神は私たちを愛によって救う」と書いてあるようです。

(amazonで売ってるカンガ、「書かれているメッセージの日本語訳つき!」って書いてあるし、それっぽい商品名になってるんだけど、上のカンガは「仲良く平和に暮らせますように」って商品名になってて、全然違うのはどういうことなんだろう……)

とにかく、そういうメッセージがある布だっていう話を聞いたらすごく興味がわいたわけですよ。さらに布を見てたらだんだん「派手、変わった柄、普段見慣れない」と思ってた柄も魅力的なものに見えてきた。特に鳥のモチーフとか好きだなあ。


そういうわけで「アフリカの布」と「アフリカの布のデザイン」に興味がわいたわけです。ほかにもいくつか本を発見していたのだけど、一番上で紹介した「ワックスプリント」はまさに!もってこいの内容だったわけです。まだ2019年10月に発行されたばかりのあたらしい本。

雑貨屋さんなどでもいわゆる「アフリカプリントの布」って結構身近に売っていることに気づいたのですけど、そこで思うのは「これってどういう布なんだろう?」「プリント柄の著作権とかちゃんとした布なんだろうか?」ということ。

せっかく買うならアフリカで作った、アフリカに利益のある布を買いたい。そう思うじゃないですか。

布の真贋や、「素敵な柄」「新しい柄、古い柄」「流行した時期」などが見分けられるようになればいいな、と思って勉強のために本を買ったんですよ。

そしたら、冒頭から驚きの連続です。著者のアンヌ・グロフィレーさんはフランスの方のようで、10代の頃に「アフリカの布」に魅せられ、ブルキナファソに旅行した際に「アフリカの布をフランスに持って帰りたい」と言ったら、ホストファミリーの人たちに「イギリスのとオランダのとどっちがいい?」って聞かれた……という話が書かれているのです。

つまり「アフリカの布」だと思ってたものは、ヨーロッパで作られていたのだ!

……という。最初から意外すぎて「えええええええ」ってなりましたよ。
それをとっかかりに、現在までどういう風にプリントの図案が作られて、布自体はどこで作られ、どのようにしてアフリカの人々にファッションとして取り入れられていったのかが詳しく説明されています。


本が分厚すぎて「まだまだ先は長いな」って感じなのですが、これ全部読んだら布だけでなくアフリカの文化やヨーロッパとのつながりが見えてくるかも……


中身もけっこう専門的でむつかしい気がするので、今年アフリカの勉強をしたからこそ読み解けるようになってる部分もたくさんありそう。いきなりこれから読んだら挫折したかもしれません。

すこしずつじっくり読もうと思います。
順番に読むのが一番理解できそうだけど、先に図案とか写真とキャプションだけざっくり読もうかな?

 

 

2019/9/23 藤子・F・不二雄先生の命日

今日は藤子・F・不二雄先生の命日だ。

23年前なんだなあ。早いよ……F先生が生きてらっしゃったら、F先生にも自分の作品を見てもらいたい!っていうモチベーションがあったかもしれないけど、……まあそれだけじゃないから作品作りはしているけど、少なくともひとつモチベーションを失ってるのには間違いないだろう。(そんなこと言ってないで、見せたい人にどんどん見てもらうためにもたくさん描かなくちゃな~と思うのですが)


23年前に亡くなっているし、ノリノリで新しい作品をはっぴょうされていたのはもう40年以上前だったりするわけだけど、そのころ描かれたとは思えない漫画がたくさんありますからね。

「定年退食」とか今見るとびっくりするもんねえ。
高齢化で支えきれなくなった高齢者たちを、定年で社会保障から外していく話ですよ。1973年の作だって……っていうかそのころからまあ予想されていたのにまんまとって感じなのが今なんだと思いますけど。

文庫版でも気軽に読めるのでどうぞ。

あとは少年向けのSF短編もみんな面白いし、子どもの頃に読んでてよかったな~と思うんですよねえ。すでに愛蔵版になってたんだけど、むしろ愛蔵版で出るの早かったんだなって今になると思う。でも発表から15年ぐらいは経ってたのか?

これは大全集です。

 

命日ということで、藤子F先生不在の現在を考えてみたんですよ。

「もう23年も前に亡くなっているのか。だいぶ前だよな。いまの大学生とかは『生まれた時には藤子・F・不二雄がもうこの世におらず、作品だけは新作も作られてずっとそばにある』状態なのか……それって、わたしのころで言えば……」

おもいつかない……
わたしのころで言えばだれなんだ……

まだ漫画がいまのかたちになってから100年もたってないわけじゃないですか。50年も前の漫画だとだいぶ古典の部類になる。もちろんそれより前からあったけど、変化してしまっているから同じものとは思えないわけで。

簡単に言えば、私が生まれたころに「もう亡くなった、生涯作品を作り続けた人気漫画家」はいなかったのかも……? まあ人気漫画家ってのがどれぐらいかわかんないですけど、亡くなるときもアニメやコミックスが出ていて、亡くなった後も変わらず作品が続いているみたいな人。

サザエさんだって、長谷川町子先生1992年にお亡くなりになってるから私全然生まれてるしさ。もちろん手塚治虫先生だって、亡くなった時のこと覚えてる。それに手塚先生は亡くなる前から亡くなった後までずっと続いているテレビアニメとか、死後にスタッフがシリーズを続けている超人気作品とかはないですよねえ。

だめだなんかケンカ売ってるみたいになってきた。

何が言いたいかというと、自分の体験にないが故、

「原作者が亡くなったあとも人気のシリーズが長年続いている」というのはどんなかんじなのかが実感としてよくわからないということですよ。

海外のはどうだ、と思ってもピーナッツのシュルツさんは2000年没、
ムーミンのトーベヤンソンさんは2001年没、

あ~~~ウォルト・ディズニーさんについては近いかもしれない。
1966年没。
私が生まれる前に亡くなっていて、でもその後も新作シリーズが出ているというかんじが近いかもしれない。

そう考えると、私はディズニーさん個人にはまったく親しみを感じておらず、偉人だということはわかっているが、どういう貢献をされた方なのかもよくわからない。キャラクターのどの部分かをディズニーさんが描いているということだろうか。……とひどい知識のなさを……正直に書いてみる……実際の所、ほとんどディズニー作品に触れずに成長して、大人になってからも知らないでいるから。

残念だけど、やっぱりドラえもんも「藤子・F・不二雄というひとがかかわっていて最初に描いたらしいが、スタッフ会議で決めたストーリーで、アニメーターとデザイナーがきれいに描いたものを僕たちは見ているのだろう」と、亡くなった後に生まれた世代は思ってるのかもなあ。藤子F先生は大量に原作漫画があるし、原作絵のグッズもけっこう身近だからそんなことないかな?

【本の紹介】マサイのルカがスマホで井戸を掘る話

紙本は出遅れて、品切れになっちゃってたので電子版で買いました。
電子版は安いけどやっぱ紙本のほうが見やすそうだね。電子版はPCかipad以上のスクリーンで見るほうがいいですよ。
スマホでも拡大しながら見られますがちょっとね。

マサイのルカがスマホで井戸を掘る話

いまアフリカのいろいろを勉強しているところだし、アフリカに興味があるということで、もともとのweb連載「マサイ通信(ロケットニュース24)」も前々からちょくちょく思い出して読んでたんですよ。本になる前に。で、それが本になるって言うから買おう~!と思って買わないうちに品切れてたと。あんまり井戸に貢献できなかったな……

でも電子版でようやく読みました。内容はね、マサイ通信でも読めるんで、まずはそちらを見てみるといいのではないでしょうか。

マサイのルカさんが、編集部から受け取ったスマホを駆使して、日々の写真を撮影し、それにまつわることをいろいろ教えてくれて、日本で編集長の羽鳥GO氏が日本人に読みやすくローカライズする。という形式です。

異文化も異文化で、たぶんあんまりマサイのことを知らなかった人なら「へー」「えええ」みたいな驚きをたくさん味わえる内容だと思います。実際私も「そうなんだ~!」って思いながら読みました。スマホの充電には充電をしてくれる男のところまで行って、お金を払って充電させてもらう。とか。

雨があんまり降らないから、貴重な雨を貯めとくための穴が地面に開いている。ただしゴミがいっぱい入っちゃってて、でも飲み水にするしか……とか。


文体があまりにローカライズされてて「こんなマサイの人おらんやろ」ってなってるんですけど、たまにルカさんとのメッセンジャーでの実際のやり取りも掲載されてるのね。それを見ると「なるほどこんな感じで会話してるのか」って分かるので、その辺は大げさな表現を差っ引いてよめる感じになるのでだんだん気にならなくなってきます。どうせだから、文体も楽しみながら読むのが良いでしょう。


タイトルの「スマホで井戸を掘る」ってのは、つまり、壊れた井戸を修理するための費用を、寄付とかじゃなくて、ちゃんと仕事して報酬として得たお金をためて何とかしなさいよっていうところから「マサイ通信」の連載でその費用をためていくということなのですよ。


アフリカだけでなく、世界の経済的に困っている人々を、どうやって「その場しのぎの寄付や配給でなく、今後も継続して経済に関わって行けるような仕事で、搾取されない形で支援するか」っていうのは課題だと思うんですよね。

まずはそういう道を、こういう「情報発信」でもできるという道を作るという点でも応援したい連載です。

本の第二弾も出ないかな?

 

※追記

たまたま今日ちょっと前の「マサイ通信」読んでたら、充電方法が変わってた。友人の家で有料で充電させてもらえると。
https://rocketnews24.com/2019/06/24/1227303/

 

 

【本の感想】ハトと日本人

「ハトと日本人」読みました。

ハトと日本人

最近ハトに興味があるんですけど、ハトのことっていざ知ろうと思うとあんまり情報が無いんですよね。

それで、だいたい観察していろんなことを見つけていたわけですけど。あとはネットで調べられる断片的な情報なども読んで、実際に見た「こうじゃないかな?」っていうハトの習性などを観察して。

図書館でもハトのことを調べようと本棚を探しましたが、あんまり冊数がない。カラスのことは結構書かれているのですが……
雑誌でもあまり特集されていない。なんとか電子版で読めた雑誌のバックナンバーの特集を見たり。
BIRDER (バーダー) 2014年 07月号 至極の鳥見旅行ガイド/謎だらけの鳥たち ハト類

そんな中、去年発売された「ハトと日本人」はもう「読まなきゃ!!」って感じでして、ようやく購入して、読めたわけですよ~。

いままで観察してなんとなく気づいていたことも「やっぱりな~」という感じで確認できたし、子育てとか天敵とか、まだ全然観察できていないことについてもはじめて知ることがいっぱい。

歴史とか神話まで幅広く網羅した楽しい読み物でした。

とくにドバトの天敵について書かれた章はつらかったですね……
トロいイメージだし、実際「こんな牧歌的で本当にやっていけるんだろうか」と心配していたのですが、やっぱり簡単に食べられちゃうんですね……わかってはいたけど。

本で得た知識のほうも、今後の観察でチェックしていけたらな~と思っております。

写真もいろいろ掲載されているので楽しく読めますよ。ハトに興味ある人にはとにかくおすすめ!

 

【本の感想】長野県警 レスキュー最前線

本や漫画の感想を、元はホンヨンダというブログに書いていたんですけど、こちらに移動させようと思って。少しずつ追加していこうと思います。


今回の紹介の元記事はこちら
http://honyonda.seesaa.net/article/451340239.html

長野県警 レスキュー最前線

遭難関連の本を結構読んでいる。

上記はそんな中で購入した本。

長野県は山がたくさんあって、百名山も集中しているし、登山者も多いから、遭難事故も多くなってしまう。
救助に当たってる人は大変だ。

救助隊の中でも、長野県警の救助隊OB・OGや現役隊員まで、現場を見てきた人の作文が集められた本。
文集みたいでなんか不思議だ。
でも、それだけいろんな隊員から見た登山と救助が一度に読めて面白い。
救助する側の気持ちや、遭難の事例、登山者にお願いしたいことなど。
厳しい文章もあるけど、まあそれはそうだよね~と納得。
遭難した人や家族とのやり取りが救助隊目線で書かれているのもほかの遭難本と違うところ。

志願して隊員になった人もいれば、任命されて苦労しながら救助する人もいたり。
他県からも山が好きで救助隊になりたいと長野県警に入る人がいるんだなあ。
そういうのも特殊な状況かもしれない。

女性隊員も何人か手記を寄せているけど、みんながみんな
女性だから男性のようにできないことを悩んでいて、訓練や救助は男性と同じように求められているのに、
女性ならではの気遣いなんかも求められていたり心がけていたりで大変。
女性ならではの気遣いなんてものまで求められるのは大変じゃないか……
うーん。

なんにせよ、いろんな人の目線で遭難・山岳救助が書かれているのはいいですね。
小諸の懐古園でヘリコプター「やまびこ」が展示されているのを見たこともあるので、やまびこの話はグッときました。