2018/5/9 お金を払える最低レベルの作品

お金を払える最低レベルの作品って何だろうなあとしみじみ考えたり。

そんなことを考えたきっかけは、編集も校正も無く、著者がすごいスピードで書いた文章を電子書籍として販売するということについて「クオリティが、読者からお金をもらえるレベルに達していない」という指摘を見かけたこと。

自分が同人誌を作ったり電子書籍を作ったりしているもので。全く関係のない話だとも思えなかったんですよね。

私が作る本も、デザイナーもいなければ編集もおらず、内容の確認も、それどころか企画も執筆も私がやるわけじゃないですか。

もちろん毎回、読んでくれる人には楽しんでもらおう。せっかくだからなるべくいらん苦労をしなくても読みやすいように体裁を最低限整えよう。という心がけで作っているつもりです。

しかし、自分がお金を払って同人誌を買うとき、それが誰かの手によってきちんと監修を受けたものか、きれいにデザインされたものか、誤字脱字が少なく、破綻しない文章で書かれているかということは「お金を払う・払いたくない」とあまり関係が無いという気がしています。

何よりも買う理由は「その内容の本読みたい」「あなたの作品なら読みたい」って言うのが大きい。

無茶苦茶な文章だったり、思い込みだけで書いた文章でも、作者が「お金を払ったらみせます」といい、それを見たいと思ったのならお金を払う。

前情報で内容がヒドイと聞いて、みる気が無くなったならお金を払うまでいかない、つまり見ない。そんな感じでしょうか。

だから、私としては、個人的に「その内容・クオリティなら私は読まない、だからお金を払わないよ」というのはアリだと思うけど、「そんなクオリティで出すならお金を取るな・出すな」って言うのは言いすぎかなあと。もう何でも別に誰かが出そうと思ったもんはしょうがないよ、差別的だとか犯罪だとかでなければ。不快だと内容に抗議してもいい、けど出すなとはいえないんだよね、極端な話では。


電子書籍まわりの、お金を払う払わない、高い安い、クオリティがどうって言う話はなんか見覚えがあるな~と思ったら、ソフトウェアで一回そういうような話をしていないか?

フリーソフトで出すこと。シェアウェアにしてお金を取ること。サポートや動作のクオリティ、アップデートの有無。高額だけど高機能で安定した(と自称する)メーカーのパッケージソフト。

費用をかけたり、低予算でやったり、作り方もいろいろで出来上がりもいろいろ、その後のサポートもいろいろで値段もいろいろだけど、形のないソフトウェアというところでなんとなくもやもや感が残っちゃうんだろうね。


脱線するけど、昨日エクセルのダウンロード販売のレビューを見てたのね。

「とても便利です。しかし値段が高すぎる。」

というレビューがついてて、うーん、エクセルぐらい便利で普及してるソフトでも、15000円ほどが「高い」って言われちゃうんだな~と思った。

額としては15000円はまとまった金額だけど、何かと引き換えにする、それがエクセルというソフトウェアであると考えた時、そんなに高いとは思わないんだけどな、私はね。