【漫画の感想】アフリカ少年が日本で育った結果(星野ルネ)

昨年から立て続けに2冊発行されたシリーズ、両方買いました。

 

 

作者の星野ルネさんは、4歳のころにカメルーンから日本へやってきて、その後日本で育ったという方です。

この漫画はルネさんのTwitterで連載されていました。

なかなかの頻度で流れてくるフルカラーの1ページ漫画は、ルネさんが黒人の外見で日本の文化の中で育つ間に体験した、日々のいろいろを描いていて、そこには見た目で判断されがちなステロタイプなイメージと、実際は違うということ、そしていろんな人がいてみんな違うし、同じところもあるし……という話が盛りだくさんです。

何しろ見た目で勝手に「あ!黒人さんだから多分外国人で日本語は通じないだろうな」とか「こんな日本の文化は知らないだろうな」とおもわれてしまうと、本当はまったく違うことに人々が戸惑ってしまうという反応に、慣れはしてもやっぱり「うーん」と思うことも多いと思うんですよね。

私がいかに、日本に生まれ育って周りと一見同じに見えるおかげで埋もれて、気にされずいることで「普通」を得ているのかということにも気づきます。


アフリカ少年で母もカメルーンの人だということで生まれるギャップやエピソード以外にも、些細な「別にアフリカ関係ない」って話題も面白い話が多いので、全編笑って読むことができます!

日本は島国で、遠いし、なかなか海外からきた人はいなくて、周囲の(観光客ではなく普段触れあう身近な)人と見た目や文化の違いを考えずに長く暮らしてきたと思うんですね。でも、これからはどんどん増えると思うのですよ。「あっ」っておもうこと。私もコンビニなどで日本語で接客してくれる「見た目・名前が日本人じゃない」人のことをいちいち「日本語がうまいなあ……」と思ってましたが、まあ思うのはいいかもしれないけど、事情はそれぞれなんだということを心にとめておかなくちゃいけない。そして日本人に見える人相手でも勝手に仲間だとか「わかるでしょ?」みたいな共通認識を振りかざさないで、ひとりひとりに丁寧に接していきたいな~と。


なんか固い話になっちゃったけど、そんなの関係なくルネさんのまんがは面白いのでぜひ!「ファミリー編」は念願のフルカラーで、webで見てた時と同じように楽しめますよ。ちゃんと人によって肌の色も塗り分けられてるのがすごくいい。そういう細かいところなんだよね「個人」って。