前回の感想のつづきをさらに書くぞ。
前回の記事はこちら。
【漫画の感想】イタズラなKiss
文庫は6巻まで読み終わりました。
あるいみここでひと段落するということと、最高に萌えるキュンキュンするアツイ展開が6巻までにありますので、時間がない時などは6巻までの読み返しで「フオー読んだ~~」って感じになるんですけどね。今回はもう少し先までじっくり読んでみようかな。
やっぱりこのマンガでいいなあと思うのは、キャラクターがたくさん出てくるものの、一番中心である琴子と入江くんを絶対外さずに描くところだと思うのですよ。例外はありますけど、基本的にその人たちが外れて別の人々を掘り下げるってことがない。
あーーーー
それが好きなところなのかも。ほかのまんがで、たまに「キャラクターがたくさん出てきて、にぎやかなのはいいけど、みんなを掘り下げすぎてなんだか長く感じるなあ」と思うことがあるのですが、もしかしたらそういう
「キャラクターがたくさん出るけど大事にされている感じがする」
と好印象なものと、
「キャラクターがたくさん出て、みんなのエピソードが書かれてるけど、蛇足で冗長になってる気がする……」
と悪印象なもの、違いはそこにあるのかもしれない。
主人公たちが必ず絡むところでサイドストーリーが語られる。掘り下げと、エピソードの完結があるけど、ズレてしまわないというか。
入江くんと琴子を描く傍らに、ほかの人々の関係性の変化や成長も見えてくるっていう。これすごいことなんじゃないか。
琴子の親友のじんこやさとみの恋愛や、彼氏との進展やどういう人物なのかっていうのが、別エピソードなどなしに「琴子の恋を描く傍らで」どんどん語られて積みあがっていくわけですよ。
このあと金ちゃんにもいい子が出てきて、そこはわりと離れる感じはあるけど、でもやっぱりいつでも琴子と入江くんが絡んでこないことはないよね。
あ、ここまでかいといて気づいたけど、単純に群像劇かそうじゃないかっていう違いかもしれない。うーん。もう少し考えてみよう。
あとは、入江くんが天才で何でもできる器用な人間だけど、肝心の「やりたいことがない」というところに少しコンプレックス……とまでいかないけど悩みがあって、不器用で頭も良くないけどやりたいことだけはいろいろみつかる琴子のことを好きになってしまうというのはやっぱり説得力があって、単純に「ヒロインだから好きな男とはうまくいくもんなんだ、たいして美人でもなく性格が無茶苦茶いいとかじゃなくてもなぜかみんなにモテる主人公」というキャラじゃないのが魅力なのかもしれない。あと、入江くんが完璧な人間設定なのに、どこか欠けてるというか、だれにでもモテるわけじゃないところもいいなあと。
キャラクターの中にはオタクも出てきて、オタクの扱いはひどいもんなんだけど(笑)差別的かっていうとそうでもないというか。彼らには彼らの活躍の場が用意されていて、しかも一発じゃないのがまた良い。オタクが頑張ってなんかすごいことをやってのけたり、オタッキーパワーでのし上がったりなんかそういう。それはそれで楽しんじゃうところがいいなあと。琴子が特撮にはまってみたり、アニメになったり。そういうところも見どころかなあ。
あとはステロタイプな「恋愛体質の女の子」として書かれているようでいて、恋が成就したからと言って家庭に入って優しい妻になったりするわけでもなく、ずっと行動的で働いて入江くんを追っかけ続けるのもいいところ。イニシアチブは入江くんにあるように見せかけて、琴子も振り回しまくりだもんねえ。