ストリートビュー散歩125 バングラディシュで見かけた牛糞燃料から始まる旅【牛糞燃料その1】

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もうだいぶ長いこと「牛糞」のことを考えている。

牛糞燃料との出会い

2024年5月23日、ゲーム「GeoGuessr」で遊んでいたところ、たまたま出題された場所のストリートビューで見たことのないものを見つけた。

この真ん中の丸いもの。「これはなんだろう?人工的な気がする」とまず気になった。

もうちょっと進むとこんな感じでたくさん貼り付けてあり、さらに棒状のものも出てきた。これはなんだろう? こんなに量産しているということは生活に必要なものか、売って生計を立てているのではないか。丸いほうは樹を保護するとか虫よけとかそういうものかもしれない。まだわからない。

そうしているうちにこんな風景にも出くわす。これはまさにいま、あの「丸いもの」を作って樹の幹に貼り付けているところなのでは!?

さっそく調べてみよう

わかっているのは場所と形状ぐらい。「マイメンシン」「樹の幹」「丸い」「土」など日本語で検索してみるけどダメ。英語でも「丸い」が邪魔をして、どうも球体のものが出てきてしまう。

バングラディシュあたりにあるという「ツリーマン症候群」という症例についてもよく出てくる(検索は要注意。皮膚が樹の幹のような状態になってしまう・樹の皮ようなイボができるという原因不明の病気だそうで、これも早く治し方がわかればいいのだが……)

tree trunk circular Bangladesh

英語でキーワードを並べて、画像検索結果をひたすら眺めていくと棒状のもののほうが見つかった!

Finance News: Latest Financial News, Finance News today in Bangladesh
https://today.thefinancialexpress.com.bd/country/cow-dung-fulfils-fuel-demand-in-gaibandha-1714837498

2024年5月のこの記事によれば、あの棒につけられたものは土ではなく牛糞であるようだ。

中流階級以上の人はガスボンベを買ったりできるけど、そういう燃料を手に入れることができない人たちは今でも旧来の燃料である牛糞燃料を作って使っている。ガスの価格の高騰によってふたたび牛糞燃料が注目されているが、牛糞は農業に使う有機肥料としても優秀なので燃料と奪い合いになってしまうというような内容。

さらに Cow Dung で調べてみると、これはバングラディシュだけにあるものでは無く、広く世界で利用されているもののようだ。

Dry dung fuel – Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Dry_dung_fuel

各地で呼び名も違って、バングラディシュではGhunte(グンテ)と呼ぶらしい!

とりあえず満足した。牛糞だ牛糞~

Cow dung Bangladesh

上記で検索して画像を眺める。完全にこれだ。私はたどり着いた。バングラディシュで見かけたこのなんだかわからないものは牛糞燃料というものだったんだ……

Following Roads & Rivers in Bangladesh
https://landcruisingadventure.com/following-roads-rivers-in-bangladesh/

上記の記事でも「バングラディシュについての話を聞いて、気が滅入る情報しかなかったので期待せずに国境を越えて入国したが実際に体験したバングラディシュは異なる側面をいくつも持っていた」と驚きと興奮とともにバングラディシュレポートが書かれている。生活の様子として樹の幹に貼り付けられた牛糞燃料の写真も紹介されている。

きょうもまたひとつ生活風景を知った。満足した。

ちなみにこの大きな藁か草のかたまりは、牛糞燃料を保管しておくためのものらしい。これもあちこちにある……

満足満足。知識欲も満たされてとても満足である。とりあえず「牛糞」というタブグループに資料をまとめ、近いうちにストリートビュー散歩の記事を書くぞと考えつつ保留にした。

そしてある日、再会したのである

インドのストリートビューを見ていたある日、無造作に置かれたこの丸いものを見て思い出したのである、「これは……牛糞燃料では!?」

後編【牛糞燃料その2】へ続く!

 

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ストリートビュー散歩124 クリスマス島にうじゃうじゃいるカニ!

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わたしはカニ好きなので平気なのですがカニがいっぱい出てくるので苦手な人は無理してこの先を読まないこと。たっぷり出るので。

GeoGuessr中に見つけたカニ。(一匹)

カニが出るのは一瞬だけど、なんだかうれしくてカニに注目してしまいました。ゲームの答えは「クリスマス島」だったので、「クリスマス島 カニ」で検索しますよ。

「赤いカニがたくさん住んでいる島」確かにどこかにあったなあ、クリスマス島だったのかな……?と検索してみると

クリスマス島の赤いカニの話めっちゃ出てくる

Christmas Island red crab – Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Christmas_Island_red_crab

クリスマス島とココス諸島の固有種で、クリスマス島ではものすごい数の赤いカニに道路が埋め尽くされるので通行禁止になったりするらしい。

そういえばそういう話を何度か聞いたことがあった。それがどこかとか、地図上ではどの場所なのかなどをいままで気にしてなかったことに気が付いた。GeoGuessrやってるとそういう事例がいくつも出てくる……

動画の中では一匹しか見てないけど、そんなにたくさんいるんだったらあちこちで見られるんじゃない?とストリートビューを探してみたら……

カニめっちゃいる。ごろごろいる。

カニいた。っていうかいっぱいいる。他の場所にもいっぱいいるけど、「いました」って言ってもしょうがないよねってぐらいいる。

海に向かうカニたち。こりゃここを車で通ったら大惨事ですわ。

カニの移動を撮影中のひと。

カニのこともうすこし調べてみた。

クリスマス島のひとびとも、カニの営みをなるべく邪魔しないように様々な工夫をしている。カニ用の道路を渡る橋を作ったりしている。

こちらの記事で橋を渡るカニの写真も見られます。

Red crab migration | Christmas Island National Park
https://parksaustralia.gov.au/christmas/discover/highlights/red-crab-migration/

この橋が道路にかかっているのなら、ストリートビューでも見れるかも!と考えたのですが範囲外にありました。ああ~ここまで撮影に行ってほしい。

Crab Bridge……カニ橋か……いいですね……

他にも、道路の下をくぐらせる通路も何本も作ってありまして、それはストリートビューでも見ることができました。

カニは湿ったところに生息していて、土に穴を掘って住んでいるらしい。

湿度がないと呼吸ができなくなっちゃうのに活動できるのは昼。乾きやすい。海に行くのも一苦労ですね……

カニが移動していくので道路閉鎖中。

ヤシガニもたくさんいるのだ

ところで、カニが渡っていくので注意の標識としてこちらの標識が紹介されているところを何件か見かけたのですが

これは赤いカニじゃなくて……ヤシガニですよね。

ということはヤシガニもたくさんいるのかな。と「クリスマス島 ヤシガニ」で検索してみたら、バーベキューしてた家族のところへヤシガニが集まってきちゃって、50匹は来た!!という記事が出てきました。

WA News: Family’s campsite overrun by giant crabs
https://www.9news.com.au/national/family-campsite-overrun-giant-crabs-christmas-island-western-australia/84e60183-9322-4695-b4c3-e68d27ffd80c

ヤシガニは夜行性だから夜に出てくるよ。と書かれていました。確かにストリートビューではなかなか見つけられない。唯一みつけたのはこちら。

ヤシガニもアカガニも、たくさんいるところを実際に見てみたいなー! という気持ちになりました。

ゲームのいいヒントになりそうですね

今度GeoGuessr中に森や道でアカガニを見つけたら「クリスマス島だ!」ってすぐわかりそうです。ありがたい!

 

※今回の記事のストリートビューが真っ黒で見られない場合はページをリロードしてみてください。たくさん埋め込むと黒くなってしまいがちなので……

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ストリートビュー散歩123 中南米のシマウマ【その2】メキシコ・ティファナのシマウマ

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ストリートビュー散歩121では、ボリビアの街で見かけるシマウマの着ぐるみを着た人々について書きました。

今回はメキシコで見つけた「シマウマ」です!

メキシコ・ティフアナの街角にシマウマ

ティフアナという、メキシコの北部、アメリカ合衆国に近い国境の街をストリートビューでうろうろ散歩しました。

国境周辺を見るのは好き。日本に一番ないものかもしれない「ここから他国になります」というゲートと、あちらから来た人とあちらへいく人が交差する街。

看板や行きかう人々を眺めながら散歩していると、にぎやかな街の一角にいたんです、シマウマが

2021年10月のストリートビュー

シマ……ウマ……いや……これは……

ロバ……ですよね

ロバに縞模様が描き足されたものにみえる。見世物になっているんだろうか? むかし観光地によくみられた「いや、本物じゃないでしょ……」という加工された動物なんだろうか。エサを食べているようだ。ずっとここにいるのかな。フォトスポットみたいになっているから、たぶんここで観光客がこの「シマウマ」と写真を撮るのだろう。縞模様も、実際のシマウマとはだいぶ違うように感じる。

「まあ、こういうものもあるかな。メキシコってこういう感じなんだな」と最初はそこまで気に留めていなかった。

過去のストリートビューでもシマウマがいる。

2020年2月撮影

あれ……同じ場所にシマウマ模様に塗られた仔馬?ポニー?がいる。

2017年5月

毎回フォトスポットの絵も変わってるな……縞模様もだいぶ違うし……

2016年2月。

この場所の一番古いストリートビューは2007年で、「まさか……2007年にも撮影されているのか?この場所で?」と思いながら日付を変更してみたが、そこにシマウマの姿はなかった。

「そんなに昔にはいなかったのかな?」と思いつつ、少し移動したら同じ交差点の別角度の場所にちゃんといたのです。

2007年7月撮影。

このシマウマは何なのか?

Zonkey (Tijuana) – Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Zonkey_(Tijuana)

これだけ昔からここにいるシマウマ、ネットに記事がないわけがないのですぐに見つかりました。wikipediaにも項目があり、「Zonkey」というそうです。
(同じZonkeyという呼び名だけど、ロバとシマウマの交配種ではないとのこと)

1930年代半ばにカジノが閉鎖されて、代わりに目玉としてロバといっしょに「メキシコらしい」写真を撮るフォトスポットをあちこちに作ったとき、白いロバは白黒・セピアの写真に写りにくいということで縞を描き足す人が現れた。多いときは20以上あったが2013年には3に減り、「ティフアナの伝統」として継続されるように働きかけたけど動物愛護の問題で認められなかった……という事情がある様子。

From the archives:: How the zonkey got its stripes: Long before Instagram, Tijuana’s tourist donkeys were camera-ready – Los Angeles Times
https://www.latimes.com/entertainment/arts/miranda/la-et-cam-story-behind-tijuana-zebra-striped-donkeys-20151106-column.html

ロサンゼルスタイムズの記事には具体的に誰が始めたのかという言及があり、あくまで「インスタ映え」的な目的であって、シマウマに見せることでエキゾチックな魅力を出そうとしたわけではないと説明されていますね。

無理やり縞模様に塗られているのが動物愛護的に問題ということなら、カラー写真を撮影できる今となっては縞模様にする必要もないのかもしれません。でもこの「なんでシマウマ(模様)?」という違和感がなければ、私も気に留めなかったというのが実際のところ。


ゾンキーに言及した旅ブログなど

『ティファナ日帰りバスツアー』ティファナ(メキシコ)の旅行記・ブログ by pirosukeさん【フォートラベル】
https://4travel.jp/travelogue/10107371

2006年の記事で、写真がきれい。ゾンキーが単独で走ってるように見えるけど……模様も上のストリートビューに写ってる子たちより上手に入れられている気がする。

メキシコ・ティファナでシマウマ発見? | 【全ては最高のタイミング】紫陽花ユミの世界
https://ameblo.jp/okipochi/entry-11745524720.html

2014年の記事。ゾンキーに出会って、いっしょに写真撮って、とかなり堪能されているレポート。ロバ好きの方のようす。楽しそうでよいですね。

ジュエリー コラム,メキシコにシマウマはいるか?
https://www.gem-land.com/column/zebra_mexico.html

2006年以前の記事(詳細な日付は不明)。写真はないけどメキシコで「シマウマ」に出会った驚きがかかれていて良い!

⑲メキシコ・ティファナ観察日記 – 13年アメリカ西海岸
https://konyaqoo.blog.fc2.com/blog-entry-828.html

ゾンキー以外の街の見どころや見つけたものについての話も盛りだくさんで面白い記事。メキシコいいな~。


いま色々調べているメキシコ

メキシコについては、他にもきになる物があって調べている最中なのでそのうちまた記事を書くと思います。世界遺産とかもたくさんある国ですが、やっぱり私は生活風景としてストリートビューに写り込むような身近な風景が好きなんですよねえ。

 

ストリートビュー散歩121では、ボリビアの街で見かけるシマウマの着ぐるみを着た人々について書きました。 ボリビアのシマウマの記事も読んでね!

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