映画「万引き家族」観てきました。
なんで見ようと思ったんだっけな。樹木希林が見たかった、というのと、あと「出てくるときには万引きできる気分になってた」みたいな感想を見たから(笑)なんかそういう感想も心に刺さるときがあるよね!
ネタバレとかあるような作品ではないと思うんだけど一応隠しておきますので、つづきは映画を見た人向けに、というか私の感想覚書です。
タイトルと、あらすじで「万引きをして生活している家族の話」だと言われているので、そういう話だと思うかもしれません。まあそういうお話ですけど。
こういう日常を描いた話好きなんですよね……
また、割と私の中では身近に思える生活。年金だよりでなんとか暮らしてる貧乏一家、万引きは生活の足し。「これは犯罪じゃなくてやりくりのテクニック」ぐらいのゆるい窃盗が、カジュアルに家族ぐるみで行われている。全然ありえないことじゃなくて、どこにでもありそうだと思う。
窃盗とか器物損壊ははっきり犯罪だけど、犯罪とまで言い切れないグレーな方法を使ってお金を得たりもしている。
生活そのものだけでなく、家族も盗んだもので構築されているんだよね。お互いが盗み合っている。欲しいと思って選んだもの、本来だったら手に入らないもの、なんとなくそばに置いておきたいもの、「ある」あいだは精一杯楽しみたいもの。
もろくて強いつながり。
盗んで集めたものがまた霧散し、縁と気持ちがあればまた集まってくるかもしれない。
基本的に家族というのは、選ばずに一緒になったものが多くて、なのになぜか「血縁がある」というだけで強いつながりがあると思われている。私はいつもそこに疑問を持っている。むしろ、一緒にいることを選んだ他人のほうが強く結ばれるんじゃないのか? そのひとつのありかたを描いたものだと思う。
個人的には、一家の関係が崩壊した後、「おかあさん」であった女に投げかけられた心のなさすぎる言葉と、それを受けて「おかあさん」の感情がどう動いたかをとても長い時間をかけて描写してくれたところがよかった。そこの気持ちが大事にされたように思えた。大事にしてくれてうれしい、ありがとうと思った。